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日本の投資家が2月にフランスの国債を大量売却していた

財務省の国際収支の発表には付表として対外・対内直接投資、対外・対内証券投資が発表されている。ここから日本の投資家による海外の国債の売買を確認することができる。それは「主要国・地域ソブリン債への対外証券投資」というページで数字をチェックできる。通常はあまりこのページは意識されていないかもしれないが、今年2月分にある異変が起きていた。

今年2月の主要国・地域ソブリン債への対外証券投資(速報ペース)によると、日本の投資家がフランスの国債を1兆5045億円売り越していたのである。この表には中期債と短期の数字も記載されており、これによると中期債は136億円の買い越しとなっていたため、中長期債は1兆5180億円の売り越しとなった。ブルームバーグによると、これは少なくとも2005年以来の大幅な規模となっていた。

フランスの10年債利回りの推移をみると、昨年11月の米大統領選挙を受けての米10年債利回りと連動するかのようにフランスの10年債利回りも上昇してきた。米大統領選挙前に0.5%割れとなっていたフランスの10年債利回りは、今年1月末に1%台に乗せてきた。米10年債利回りが12月のFOMCでの利上げ決定を受けていったんピークアウトしていたにもかかわらず、フランスの10年債利回りは上昇を続けた。この背景にあったのは今年4月、5月のフランス大統領選挙に向けた思惑であった。

今回のフランス大統領選挙で最も注目されているのが、極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首である。ルペン党首はユーロ圏離脱や欧州連合(EU)離脱の国民投票実施を掲げている。英国のEU離脱や米国でのトランプ大統領の登場の流れがフランスでも強まるとなれば、このルペン党首が勢いづくことになる。その懸念でフランス国債が売られていたが、その売りには日本の投資家も参加していたのである。

ただし、フランスの10年債利回りは、その後1.10%あたりが天井となって、上昇が抑えられた格好となっている。これにはフランス大統領選挙の第一回投票でルペン氏がトップとなっても、5月の2回目の投票ではもう一人の候補(いまのところマクロン前経済相か)に敗れるとの見立てになっているためと思われる。

またFRBが年内複数回の利上げを示唆しているにも関わらず、米10年債利回りも2.6%あたりが天井となってこちらも戻りが抑えられていることも影響していよう。米仏に限らず、日本も含めて先進国の長期金利の上昇はかなり鈍い。地政学的リスクなども意識されて積極的には売り込みづらいことが影響しているようである。

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