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電力会社の切り替え:3/31集計で343万件(全世帯の5.5%)

 電力広域的運営推進機関が、3月31日24時までの情報照会、スイッチング(切り替え)の申込み状況を集計したところ、それぞれ全国計で2654.47万件、342.79万件であった(資料1)。

 <資料1> 

17
(出所:https://www.occto.or.jp/oshirase/hoka/files/20170407_swsys_riyoujyoukyou.pdf

 全国の世帯数に関する直近のデータとして経済産業省が用いているのは約6,253万で、これは2015年度の一般家庭等の通常の契約口数(資料2)。これをベースにすると、今のところ、切替え件数は全体の5.48%(≒ 5.5%)、情報照会から切り替えに至るのは12.91%となる。 
 切替え率は、ようやく“5%”を超えた。

 しかし、経産省が2015年11月18日に発表した資料では、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」とのアンケート調査結果が掲載されている。

 上述のように、現実はまだまだその域には達していない。予想通りではあるのだが、桁違いに低いのはかなり痛い。図らずも、こうしたアンケート調査には、調査主体の期待感が込もり過ぎる傾向があることを示した格好。

<資料2>

41
(出所:2016.7.1 経済産業省「小売全面自由化に関する進捗状況」
 
 因みに、電力自由化から一定程度時間の経過した欧州では、年間切替え率について、スペインやイギリスなど9カ国で10%を超える一方で、フランスやデンマークなど5%未満の国も同程度存在しているようだ(資料3)。

 この年間切替え率は、電力自由化の進捗状況を表す指標の一つとなる。その進捗状況が当初見込みよりも芳しくないと判断された場合には、その責任は大手電力会社に帰せられる可能性が高い。最悪、大手電力会社は、送電部門の所有分離まで半ば強引に課せられてしまうだろう。

 だが、電力自由化が『低廉かつ安定な電力供給システムの水準』を維持・向上させるものかどうかは、実は甚だ覚束ない。少なくとも欧米の先行例から見ると、むしろ失策であった。

 それは、このブログで何度も掲載したことだが、欧米諸国の電気料金水準の動向を見れば一目瞭然。実際、低所得層を中心とした大多数の家庭用電気料金は下がっていないし、下がりようもないことは、自由化以前からわかっていたこと。

 特に日本では、原子力発電が再開されていないことに伴うコスト増が最大要因。今回の電力自由化については、電力消費量が比較的多い消費者などは別だが、国全体として見た場合には、これまで以上のコスト低減に寄与していることは、いずれのデータからも窺うことはできない。

 原子力発電については、既設原子力発電所に係る新規制基準適合に相当の猶予期間を置くとともに、今すぐにでもそれらの高稼働率稼働を容認することで『原子力正常化』へと政治決断すべきだ。

 それにより、電力卸売・小売市場の両方における低廉安定供給体制が回復するだけでなく、その豊富な収益を活用した原子力安全対策や再生可能エネルギー振興のための財源を確保することもできる。日本では当面、原子力と再エネを両輪としたエネルギー需給体制を構築していく必要がある。 

<資料3>

11
(出所:2016.9.27 経済産業省「電力システム改革の現状と課題」

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