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仏で中国人射殺事件の波紋広がる

Ulala(ライター・ブロガー)

【まとめ】

・パリで中国人男性が警官に射殺された。

・誤射の可能性高まり、中国系住民が抗議活動。

・仏在住アジア人全体の安全確保が重要。

■中国人男性射殺事件の波紋

フランス・パリ19区の集合住宅で、騒音がすると隣人の通報を受けて駆け付けた警官によって、中国人男性・劉少尭(Shaoyo Liu)さん(57)が射殺されるという事件が起こり、フランスで波紋が広がっています。

3月26日の日曜日の夜に、住人から「隣人が大声をあげている」と言う通報を受けアパートに警官三人が駆けつけました。警官たちが強制的にドアを開けて入ると、家にいた男性が刃物を持って前方にいた警官に攻撃したため、後ろにいた別の警官が防衛のため発砲したということです。ところが、その場にいた家族の証言は警察とはまったく違っていました。

証言によると、「父は、ハサミをで魚を処理していたからハサミを持っていただけなのに突然警官が撃った。」ということであり、また当初言われていた男性が酔っぱらっていたと言う話も、遺族側弁護士によれば、血中のアルコールは 0.71 g/1で、泥酔状態ではなかったとのこと。

こういった状況から、この事件に対し抗議の声が高まり、翌日の27日にはパリ北部の警察署前では中国系とみられる約150人により抗議デモが行われました。抗議者たちは「殺人警察官」と治安部隊へ反発。警官隊ともみ合いになり、35人が身柄を拘束されるなど激しい抗議活動に展開し、その後数日間に渡りデモ活動が続いたのです。

そして、事件は、中国のSNSにも波及。

「フランス人は中国人を犬のように扱う」
「中国はフランスより大きいのを分かっているのか?」
「エッフェル塔を破壊してやる」
「フランス製品をボイコットしよう」

ネット上ではフランスへの非難の声であふれました。

■中国の反応に驚くフランス

これに驚いたのがフランス側。なぜなら、中国人は勤勉でおとなしいことで知られており、今まではこういった激しい反発に発展することはほと んどなかったからです。

デモは中国マフィアが先導しているものであるとするレポートが提出されたり、現在はフランスの事件とは関連性がないと結論づけられていますが、上海でフランス人が襲われた事件が起こった時には報復ではないかと言うニュースも流れました。

しかし、フランスのメディア・フランスインフォでは、今まで思っていた中国人の反応と最近の行動が違うことについて、こう説明しています。

「一世代前は、中国人は自分たちを外国人と認識していたが、現在の若者はフランスで教育を受けて自分たちをフランス人と認識しており、フランス人同様に声をあげるようになったのだ。」

親の代の出身地が中国であっても、繰り返し行われる激しい抗議行動を含むデモは、フランスで育った子供達がフランス人同様にフランスの表現方法で声をあげているのに過ぎないということでしょう。

■必要なのは「安全」

射殺された男性の家族は、冷静な態度を呼びかけており、フランスの中国人のコミュニティー代表者は、重ね重ねこう訴えます。
「われわれは安全を求めているだけであり、それ以上のことは求めていない。」

フランスは、ヨーロッパで最も中国から移民を受け入れている国ですが、その一方でフランスの警察は、中国人を「差別」から保護する役割に関して十分に義務を果たしていないと批判されており、「警察はフランスの社会の一員である中国系市民の安全確保に特に注目すべきだ」と要求してきたのです。

昨年9月、フランスでは中国系コミュニティーを狙った荒っぽい強盗事件が相次ぎ、紳士服店を営む中国人男性が強盗に襲われて死亡した事件がありました。その時にもデモが行われ、フランスの警察からは安全に十分注意すると言う返答があったのにもかかわらず起こった今回の警官による事件。守ってくれるはずの警官自体が、無実であった可能性もある人物を即座に射殺した事実は見過ごすことができません。

事件後の、一連のデモや抗議を受け、パリの警視総監と中国のフランス大使、中国人コミュニティーの代表との話し合いの場が4月1日にもたれ、再度フランスに住む中国人と観光に来る中国人の安全を最優先することを確認するに至りました。

この種の出来事の結果は、当事者の中国に限らずフランスに住むアジア人全体に影響する可能性があることでもあり、警官による中国人の射殺事件がどのように展開しどのような対応がされていくか、今後がとても気になるところです。

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