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【東芝、米政権の出方は?】

トランプ政権の出方がよく分かりません。「東芝は本当にリスクを遮断できるのか?」というトーンの報道も。

■Westinghouseの経営破綻により親会社の東芝はリスクを遮断できたと思っているかもしれないが、そう簡単ではなく法廷闘争となるだろう、■建設中の原発 4基が見捨てられたと見られればトランプ政権の怒りを買うだろう、■安価な天然ガスに加えて小型原子炉の登場も予想され、原子力発電による電力の価格競争が低いのではないか、といったところが焦点です。

最新号のThe Economistの Fallout~Westinghouse files for bankruptcy (フォールアウト~ WHが破産申請)のタイトルは、2011 年3月17 日号の The fallout(放射性降下物、予期しない影響)の表紙を思い起こさせます。



買収合戦の末、東芝が2006年に 54億ドルでWHを賠償した時、勝ち誇った様子だったと伝えています。その後、ジョージア州のサザン電力とサウスカロライナ州の SCANAがWHの AP1000 型原子炉を採用しましたが、今回の破産の申請書の中でWHは、■予想外の新安全基準や米規制当局からの要求により遅延や追加コストが発生した、■それが電力会社と WHとの法廷闘争に発展したと説明したということです。

「東芝は原発事業で危機に陥ったが、今後はいったん縮小した上で成長しようとしている」として、虎の子のメモリー半導体事業を売却し、インフラ事業に注力することを紹介しています。

その上で、憂鬱な破綻処理のプロセスを予想しています。「東芝は6500億円の債務保証をしており、サザン電力も SCANAも東芝に対して損害賠償を求める訴訟を起こす可能性がある。東芝が電力会社をだましたと受け取られるようなことがあれば、トランプ大統領の怒りを買うだろう(Any suggestion that Toshiba is bilking the utilities would anger Donald Trump) 」と指摘。

AP1000の将来は、日米の政府間の協議でも取り上げられたといことで、「どこまで外交問題に発展するかは建設中の原発がどうなるか次第だ。 WHはジョージア州とサウスカロライナ州の原発建設を続けると予想されるが、電力会社は■建設を破棄する、あるいは■別の会社に建設を発注する可能性もある」と解説しています。

一方、3 月15日にアメリカの原子力規制委員会がオレゴン州の NuScale が提出した初のSMR(小型原子炉)の申請を審査すると発表したそうです。より小型原子炉も、安価な天然ガスや自然エネルギーで生み出される電力料金の競争にさらされるため「アメリカの原子力ルネサンスを望む人たちはさらに待たされるかもしれない」と結んでいます。

Wall Street JournalはWestinghouse Bankruptcy Doesn’t End Toshiba’s Woes (WH経営破綻は東芝の苦痛を終わらせることにならない)は、タイトルからして厳しいです。

東芝の原発リスクの遮断と原発の損失の穴埋めのためのメモリー半導体事業の売却できる望みを「過度に楽観的 (overly optimistic)」と表現しています。

「原発事業のリスクを遮断(ringfence) したつもりでいるかもしれないが、損失の確定は最終的にはアメリカの裁判所が決めることになるだろう」と指摘。

さらに「ジョージア州とサウスカロライナ州の4基の原発の建設を断念し、数千の雇用に影響すれば、トランプ政権の逆鱗に触れるかもしれない」とのこと。

半導体事業についても「高値を提示した企業が買収できるとは限らない。日本政府が国家安全保障や雇用を脅かすと判断すれば介入することもできる」ということです。

サウスカロライナ州の地元紙のThe Post and Courier は、サウスカロライナ州の VC サマー原発2基の建設を SCANA 電力などと共に発注したSantee Cooper電力の格付け見通しがMoody’s とStandard & Poor’sにnegative に引き下げられたと伝えています。

140 億ドルの建設費のうち、Santee Cooper が45%、SCANA が55%を支払う契約だそうです。Moody’s は「2019年と2020 年の運転開始に向けて必要な建設スピードから遅れている」とも指摘。

Morgan Stanley は VC サマーの建設費が190億ドルに達すると予想していて、「 Santee Cooper 、SCANA両電力会社は 2 基の建設を放棄することを含めて次の一手を検討している」とのこと。

Santee Cooper は2016年と2017 年にそれぞれ電力料金を3.7%引き上げたばかりですが、一段の値上げの必要性を検証しています。

ボーグル原発2基があるジョージア州の地元紙 Atlantic Journal-Constitution は、建設を発注したサザン電力のトーマス・ファニング(Thomas Fanning)CEOの給与について報じています。

「ファニングの去年 1 年間の報酬は、34%アップの 1580 万ドル(約17億円)だった」ということです。「原発 2 基の建設が遅れ、追加コストが積み重なっているにもかかわらずだ」と付け加えています。株主の視線は厳しそうです。

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