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企業では「あたりまえのこと」が行政でできていない

22日、参議院の経済産業委員会で45分間の質疑をさせていただきました。

リンクをクリックしますと動画がご覧になれます。

今回は、その内容をお送りできればと思います。

テーマは「中小企業支援体制の整備」一本に絞りました。

日本の企業の99.7%は中小企業です。
しかし、黒字中小企業(税法上の利益計上中小法人)は33%(注)しかありません。

この33%を80%にできれば、日本経済は間違いなく元気になります。

ですから、中小企業支援体制を整備することが、日本経済再生、地方創生の鍵となるのです。

(注:黒字中小企業の率については、経済産業委員会の質疑では20%と言いましたが、本ブログでは、税法上の中小法人に限定し、33%といたしました。)

まず、平成20年以降の経済産業省が実施した中小企業支援事業を振り返ってみましょう。

平成20・21年度には、地域力連携拠点を327か所に設置しました。
平成22年度には、中小企業応援センターを84か所に設置しました。
平成23・24年度には、巡回対応相談員が3,517ヶ所の支援機関を巡回するようにしました。
平成25年度からは、支援機関などからの要請に基づき、専門家を派遣するようにしました。
平成26年度からは、47都道府県によろず支援拠点を設置しました。

さて、どのように感じられましたか?
毎年のように看板を架け替え、屋上屋を重ねているのです。

ここから、一つの事実が浮かび上がってきます。

それは、中小企業支援の「軸が定まっていない」ということです。

なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか?

それは、PDCAが正しく回っていないからです。

次に、行政のPDCAの仕組みである「行政事業レビュー」の結果を見てみましょう。
47都道府県に設置された「よろず支援拠点」の事業を例にとります。

よろず支援拠点事業の“Plan(目標)”は、次のようになっています。

「よろず支援拠点にあった相談に対して、経営課題の解決の対策が立てられた件数(相談カルテに解決策を記載した件数)の割合が80%になることを目指す。」

では、実績を見てみましょう。

「相談に対して対策が立てられたのは98%目標達成率は122.5%で「目標達成!めでたしめでたし」」と評価されています。

でも、ちょっとおかしいと思いませんか?

目標は達成しているのに、なんで黒字の中小企業はこんなに少ないのでしょうか?
なぜ、地方は活性化しないのでしょうか?

それは、『対策の内容・有効性は問われていない』からです。

経営課題の本質を取り違えて、頓珍漢な対策を立てても良しとしてしまっているのです。

つまり、PDCAの“Plan”の設定がそもそも間違えているのです。

実際、行政事業レビューに参加した外部専門家からは、次のような意見が挙げられています。

「よろず支援拠点への相談後の事業者の改善実績やこの事業による地域への波及効果など、事業の成果をより具体的に示し、成果を検証すること」

至極ごもっともな意見です。それにもかかわらず、
経済産業省の結論は「問題なし」とされています。
つまり、“Plan”もおかしければ、
“Check”も形式的に過ぎず、
“Action”は実行されていない。
要するに、PDCAは回っていないのです。

もうひとつ、大きな問題があります。
2013年6月に閣議決定された日本再興戦略では、
中小企業に関して3つの
KPI目標が設定されました。
①開業率が廃業率を上回る状態にし、開廃業率を米国・英国レベル(10%台)にする。
②中小企業・小規模事業者の成長分野への進出を支援し、2020年までに黒字中小企業・小規模事業者を70万社から140万社に増やす。
③今後5年間(2013年度から2017年度まで)に新たに1万社の海外展開を実現する。

この3つのKPIは47都道府県にブレークダウンされておらず、目標達成の責任者も不明確なのです。

3つとも47都道府県に容易にブレークダウンできます。
各都道府県の開業率、黒字企業数、海外進出企業数の
現状を調べて、そこから目標をセットして、
責任者を明確にすれば良いわけです。

でも、そんな「企業では当たり前のこと」すら実行されていません。

批判ばかりしても仕方がないので、私は3つのKPIを達成するための具体的な戦略を二つ提案しました。

一つは、中小企業を支援する「組織」の視点で。
二つ目は、中小企業を支援する「人材」の視点です。

私が提案した二つの戦略については、明日以降に紹介させていただきます。

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