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MXテレビ「沖縄ヘイト」騒動が引き起こした東京新聞の深刻な問題

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2017年2月2日付東京新聞「深く反省」

1月2日に東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)で放送された「ニュース女子」番組が「沖縄ヘイト」だとして大きな問題になっている。BPOが審議を行っているからいずれ見解が出されるだろうし、MXテレビも検証番組を放送する予定のようだ。問題の番組を制作したDHCシアターは3月13日に検証番組をネットで放送したが、基本的に問題ないというスタンスだ。

この問題について月刊『創』では香山リカさんが3月号、4月号と取り上げているし、最新の4月号では私も「東京MXテレビ『沖縄ヘイト』と東京新聞めぐる議論」という記事を書いた。「ニュース女子」の司会を東京新聞の長谷川幸洋論説副主幹(当時)が肩書付きで務めていたため、東京新聞にも問題が飛び火しているためだ。

私は東京新聞で20年以上も連載コラム「週刊誌を読む」を執筆していることもあって、この問題は当初から気になっていた。『創』最新号の記事は、この間の経緯をまとめたものだが、その後、読者から手紙をもらって改めて問題が深刻であることを知った。東京新聞と『創』は編集方針に親和性があることもあり、両方読んでくれている読者もいるのだが、都内に住む女性からこういう手紙が届いたのだ。

《今回は東京新聞の広告で『創』を知り購読しました。新聞は朝日新聞ですが、50年間購読しています。その朝日新聞ですが、最近は政権に対していささか控えめで生ぬるさを感じていました。そんななか東京新聞のお試しチラシが入っていましたので、約1年間取り始めました。読んでいて痛快だったのは、いささか過激にも思われた週刊誌的な「こちら特報部」と「本音のコラム」などです。このコーナーはいつも楽しみにしていました。それがMXニュース女子でよりによって論説副主幹の長谷川氏の言動を知り驚きました。佐藤優さんが取り上げ朝日新聞でも取り上げ、ようやく東京新聞はシリーズとして記事を掲載していましたが、何だか反権力、権力監視を標榜していたとは裏腹さを感じ、この2月で東京新聞を取るのをやめることにしました。》

周知のように新聞は今、各紙部数を減らしている。この女性のように何かきっかけがあると購読をやめるという行動になりがちなのだ。しかもこの人は朝日の長年の読者で、その朝日の論調が生ぬるくなったので東京新聞をとってみたという、この何年か目につく購読パターンだった。それが今回の問題で東京新聞をやめたという。何やら典型的な読者の例のように思えるのだ。だとするとこの事件、東京新聞にとっては結構深刻な問題なのかもしれない。そんな思いがして、東京新聞をめぐる一連の経緯をこのブログでも紹介することにした。

「ニュース女子」の番組については、放送後早い時期にネットで見ていた。とにかく番組を見て、あまりにひどい内容に驚いた。沖縄の基地建設反対運動の人たちを揶揄し中傷するもので、ネットではよく見られる典型的な沖縄ヘイトだが、地上波が放送したことで大きな問題になった。しかも波紋を広げたのは司会を東京新聞の長谷川幸洋さんが務め、須田慎一郎さんがコメンテイターになっていたからだった。

この番組については市民グループなども批判や抗議を行ったし、新聞でも朝日新聞や毎日新聞、そして東京新聞も早い時期から批判を展開した。例えば1月7日の東京新聞特報面では「『沖縄ヘイト』まん延」と題して「ニュース女子」を批判。また11日付の特報面は「MXテレビ『ニュース女子』の中傷報道に批判 『沖縄ヘイト』堂々と カンパの思い踏みにじる」と題して、沖縄の基地反対派には日当が出ているといった「ニュース女子」での言説を検証取材し論破していた。

同番組の司会を長谷川さんが務めていることを知ったうえでの批判記事だから、それは特報部によるひとつの意思表示だったと思うのだが、後に問題になったのは、そうした記事が、長谷川さんが「ニュース女子」の番組の司会をしていたことに全く触れなかったことだ。

最初にそれを問題にしたのは1月22日付の特報面「本音のコラム」での山口二郎法政大教授だった。こう書いていた。

《二十日の特報面でこの問題を詳しく検証したことには拍手を送りたい。しかし、一つ気になることがある。あの番組では、本紙の論説副主幹なる人物が司会を務め、デマや中傷を止めようとしなかった。(以下略)》

「本音のコラム」は何人かの筆者が執筆しているのだが、続いて1月27日付の同コラムで佐藤優さんが正面からその問題に斬りこんだ。

《深刻なのは、長谷川幸洋氏がこの番組の司会を務めていたことだ。司会は番組の構成にも関与しているはずだ。長谷川氏は「東京新聞論説副主幹」という肩書で出演していた。論説副主幹は、社論を形成する立場にいる。

本紙は多くの読者に読まれている新聞の中では、沖縄の現状をできるだけ深く、虐げられている人々の立場を伝えるという報道姿勢を取っている。その新聞社の論説幹部が、事実と異なる内容で沖縄ヘイト(憎悪)言説を、地上波で拡散していることは看過できない。》

《長谷川幸洋氏が、沖縄ヘイト番組に関与したことについて本紙は社論を明らかにすべきだ。「東京新聞」が沖縄に対して示している「理解」の本気度が問われている》

その間にも特報面では25日付で「MXも沖縄中傷番組制作 DHCシアター居直る」と、「ニュース女子」を制作しているDHCシアターを批判する記事を載せている。ただ、そこでも長谷川さんについての言及はなかった。

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