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日本の学校掃除は教育か、それとも児童労働か

 中東を代表する報道機関アルジャジーラが運営するオンラインメディア、AJ+が日本の小学校を特集した動画を作成し、話題を呼んでいる。具体的には、日本の小学生が学校で掃除(及び給食の配膳)を行っている動画であり、YouTube上では16万回以上、Facebook上では2,800万回以上再生されている。

 日本においては一見日常的な風景であるが、欧米諸国の学校では生徒に掃除をさせる習慣はほとんどなく、雇った清掃員に全ての掃除を任せている。それゆえ、日本の小学校の掃除風景がピックアップされ、多くの反響を呼んだのである。

 AJ+の動画に対するコメントや同様のトピックを取り上げている他メディアをまとめると、主に以下のような反応に分類される。素晴らしい取り組みと賞賛する人、児童労働・虐待になりかねないと懸念する人、学校は掃除よりも勉強の場所であると主張する人、である。

 児童労働・虐待ではないかと懸念する人に関しては、学校が生徒に掃除をさせることで清掃員雇用のコストカットをしようとしていると誤解していることが多い。この認識は実態とは異なっており、日本の小学校も校内の清掃を担う用務員を雇うなどしており、生徒による清掃はコストカットではなくあくまで教育として行われていると考えられる。コストカット目的に対する指摘は主に動画に対するコメント、つまり動画を閲覧した人に多く見られた。

 日本の小学校の掃除に関する取り組みを賞賛する人たちは主に、ものを大切に扱い敬意を払うこと、自分の始末は自分でつけることを子供に覚えさせる機会として賞賛していた。中には、家事を覚える良い機会だと捉える人もいたが、これは家で教えるべきことだという反対の意見もあった。NPR(米公共ラジオ局)の記事では、アメリカで実際に掃除を子供たちに行わせている学校を取材しており、後半で日本の掃除教育の習慣にも触れている。この記事でも、勉強時間が減る懸念を持つ人もいることを示しつつ、家庭からも掃除に関しては概ね賛同を得られていることが伝えられている。さらにNPRの記事を引用しているMic.の記事はより明確に日本の掃除教育を高く評価している。

 取り組みを賞賛する人に反して、The Japan TimesのAlice Gardenker氏の記事のようにその効果に対して懐疑的な意見もあった。彼女は自身の子供を日本の小学校に通わせており、その子供も当然小学校で掃除をしている。しかし子供の生活態度に大きな変化はみられず、話を聞く限り掃除の時間にふざけていることも多いと紹介している。確かに、学校での掃除に対してそこまで深く考えて行っている子供はほとんどいないかもしれない。だが日本の衛生状態の高さやブラジルワールドカップ会場で日本人ファンがスタンドのゴミを片付けて帰った話は有名なエピソードである。掃除教育は「立つ鳥跡を濁さず」のことわざが表すような日本の精神性を体現している習慣の一つに過ぎず、掃除教育だけではいわゆる日本的精神性の良い面もすぐには身につかないのかもしれない。

 日本的精神性の悪い面と関連づけて掃除教育を批判する人もいる。動画へのコメントでは、「掃除教育が教えようとしているエッセンスを否定するわけではないが、行き過ぎた責任感や義務感の教育はよくない」など、加減に対する指摘も見受けられた。

 上記の通り、日本の掃除教育に関する動画及び関連記事からは様々な反応が伺える。同時に、短い尺の動画はシンプルなメッセージを発信する手段として便利だが、細かな部分の理解を促すには向かず、誤解も生み易いように感じられる。短尺の動画ニュースを見てメッセージを受け取るだけでなく、動画をきっかけにトピックを深掘りした上で多様な考えや視点を知ることも大切ではなかろうか。

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