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波乱となった2月の日本国債は誰が売り買いしていたのか

 3月21日に日本証券業協会は2月の公社債投資家別売買高を発表した。公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

2月の公社債投資家別差し引き売買高
注意、マイナスが買い越し
単位・億円
()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別

都市銀行 4551(-393、4366、51)
地方銀行 8042(1996、3904、716)
信託銀行 314(-5250、-1398、6798)
農林系金融機関 -3495(-3056、394、0)
第二地銀協加盟行 1619(683、383、50)
信用金庫 1813(2387、32、150)
その他金融機関 8(-237、143、315)
生保・損保 -1534(-3264、1506、214)
投資信託 -225(-106、137、108)
官公庁共済組合 173(-5、69、221)
事業法人 -304(-74、2、11)
その他法人 41(-230、60、651)
外国人 -11210(-2687、3009、-10323)
個人 194(0、29、5)
その他 5682(8707、-2320、986)
債券ディーラー -401(112、-463、91)

 1月の日銀の国債買入で中期ゾーンが1回分スキップされたことで債券市場は荒れた展開となった。2月2日の日銀の国債買入において、市場が期待した超長期債は入らず、5年超10年以下も400億円の増額に止めた。これを受けてある程度の10年債利回りの上昇を日銀は容認していると受け止められ、債券は大きく売られた。10年債利回りは一時0.150%に上昇した。これをみて日銀は通常のオペタイムではなく12時半というイレギュラーな時間帯に「指し値オペ」をオファーした。これにより、日銀は10年債利回りの0.1%を意識していると改めて認識され、超長期債の国債買入の増額などもあり、債券は買い戻された。2月3日に149円28銭まで売られた債券先物は150円台を回復し、28日には150円60銭まで上昇した。10年債利回りも0.1%を割り込んだ。日銀は2月28日に公表した「当面の長期国債等の買入れの運営について」において、国債買入の日程予定も発表した。

 2月の国債の投資家別売買高をみると都銀は4551億円の売り越しとなっていた。1月の1937億円の買い越しから再び売り越しに転じた。売りは長期ゾーン主体となった。また、地銀も8042億円の売り越しとなり、こちらも長期ゾーン主体に全般に売り越しとなった。地銀によるこの売越額は比較できる1998年以降最大となったようである。信託銀行、農林系金融機関、海外投資家や生損保が超長期ゾーンを買い越していたのに対し、地銀に加え信金などが超長期ゾーンを売り越していた。

 海外投資家は中期債主体に1兆1210億円の買い越しとなってはいたが、1月の2兆3784億円の買い越しに比べて買越額は減少した。海外投資家も都銀同様に長期ゾーンは売り越しとなっていた。

海外投資家の売買状況
月 売買高(マイナスは買い越し)、(超長期、長期、中期)、全体売買高、うち中期

2016年 4月-36565(328、-9142、-27271)、294983、62513
5月-16775(1347、-6186、-10933)、246889、34315
6月-36565(328、-9142、-27271)、344055、65055
7月-16693(1860、-4453、-13200)、275366、61036
8月-16838(-1108、-5390、-9702)、302397、65718
9月-27674(-3320、-4283、-19310)、380542、102124
10月-5717(1051、-5636、166)、264616、62534
11月-11672(2275、-2448、-10674)、302551、48912
12月-26198(-970、2054、-26261)、317612、57609

2017年
1月-23784(-1153、-504、-19500)、294839、61994
2月-11210(-2687、3009、-10323)、292813、51127

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