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実写「3月のライオン」の強烈なギラつき

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羽海野チカ原作の「3月のライオン」の実写映画が公開となったので、早速見に行ってきた。

原作は全て読んでいて、シャフト制作のアニメ版も見ているのだが、実写版は果たしてどんな出来栄えなのか大変気になっていた。予告から抱く印象は決して悪くはなかっただけに結構期待してもいた。

結論を先に書くと、結構良かった。主人公の桐山零役はやはり神木隆之介しかいないなと思わせる納得の芝居だったし、義姉の香子役の有村架純も見事に「魔女」役をこなしていた。香子はアニメ版のシャフトの演出と井上麻里奈の芝居が素晴らしかっただけに、見劣りするかもと心配していたけど、杞憂だった。上手いよね、有村架純。(アニメ版についてはこちらにレビューを書いてます)

キャスト陣では島田八段を演じた佐々木蔵之介の存在感が光った。飄々としていて芯が太い、どっしり構えているようでふわりと躱すような絶妙なさじ加減の芝居だった。島田と伊藤英明演じる後藤との対決は本編を通じて、役者が最高のパフォーマンスをしているシーンだと思う。それだけに対局中の派手な音楽は余計だったと思う。あれだけの芝居をしているのだから、あそこは役者の力を信じて音楽抜きで見せきってほしかったと思う。



2部作の前編となる本作は、川本三姉妹のエピソードは少なめにして、桐山の生い立ちと成長過程に焦点を当てている。義姉の香子は出番が多く、原作よりも存在感が大きいし、内面も掘り下げられている。というより少しキャラ付けを変えている。将棋をやっている動機を語られていたりしている。

原作やアニメとの最も大きな相違点は、将棋の対局の演出だろうか。とにかく望遠レンズでのクローズアップを多用して、ギラついた画を作り上げている。確かに将棋の対局なんて普通に撮っても、静かにパチパチ指しているだけなので、工夫が必要なのだが、なるほどこうきたか、と。

対局中のわずかなしぐさや表情の変化も見逃さず、緊迫感の戦いを作ることに成功している。上述したが、とりわけ島田と後藤の戦いが良い。ガチンコの殴り合いとけいようされるような、攻め合いの対局なのだが、心理的な駆け引きよりも負けてなるものか、という2人の気迫が望遠のクローズアップで連続で映される。とにかくギラギラしていて2人の気迫が大画面いっぱいに次々と映し出されるのだ。最近ここまで望遠を上手く使った作品は見ていなかったのですごく新鮮だった。


(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

エンド・クレジット後に後編の予告も流されるのだが、後編は伊勢谷友介演じる川本家のダメおやじが登場し、ひなのいじめ事件も描かれるようだ。自分のことばかりでいっぱいの桐山の成長を描く前編に対して、後編では自分を支えてくれた周りの人間に対して行動する桐山が見られそうだ。

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