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東芝はやはり“国策会社”なのか?

東芝は一種の“国策会社”である、とかねてから述べてきました。やはりというか、予想通りというか、半導体メモリー事業の売却をめぐっても、落としどころは“国策会社”にあるようですね。

東芝の再建計画が、大きな岐路に立たされています。というのは、子会社のウエスチングハウス(WH)の破綻処理も、半導体事業の売却も、もはや一企業の問題にはとどまらず、日米それぞれの政府を巻き込んだ国家問題の様相を帯びてきたからなんですね。

WHの破綻処理をめぐる問題では、16日、日米の閣僚同士の会談の結果、WHの米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用申請を行えるかどうかががむずかしくなりましたよね。そのことは、17日のブログで書きました。

もう一つは、半導体事業の売却をめぐる問題です。

東芝は、かねてからいわれているように、スマートフォンやメモリーカードなどに使われるNAND型フラッシュメモリ事業を分社して一部株式を売却、財務基盤を強化する方針ですね。

当初は外部資本による出資を20%未満に抑えようとしていたものの、マジョリティー(過半)譲渡を含む外部資本の導入を検討せざるを得ないところに追い込まれています。

2月14日の記者会見において、「最大100%の売却もあり得るということか」と記者に問われた綱川智社長は、「すべての可能性がありうる」と回答し、半導体事業全体の売却を否定しませんでした。

半導体は、かつて「産業のコメ」といわれ、80年代には日本勢の独断場でした。ところが、韓国サムスン電子に圧倒され、いまやトップ10ランキングには、東芝しか残っていません。かりにも、東芝が半導体の看板を手放すことになれば、「日の丸半導体」はもはや見る影もありません。

買い手には、米ウエスタンデジタル、米マイクロンテクノロジー、韓国SKハイニックスなどの半導体メーカー、台湾の鴻海のほか、中国企業の名前も挙がっていますが、ここへきて、日本政策投資銀行が一部出資する検討に入ったという報道が出てきました。

というのは、半導体の基幹技術は軍事上欠かせない面があります。外資傘下になったとしても、日本勢として一定の株式を確保し、技術流出を避けたいという思惑があります。

それから、今後、日本がIoT(モノのインターネット)で主導権を握るためにも、メモリ事業を日本に残すことは重要です。いかに東芝が追い詰められているとはいえ、半導体を完全に手放すシナリオは避けたいところです。

そんなわけで、「半導体は国の安全にも絡むので意識して相手先を選ぶ」と3月14日に開かれた記者会見の席上、綱川智社長は述べたんですね。

では、かりに売却するにしても、主導権を渡さないためにどうするか。政策投資銀行は、官民ファンドの産業革新機構にも出資を求める方向で関係機関と協議に入ったと伝えられています。

経済産業省も革新機構の活用を視野に支援する検討に入りました。

思い起こされるのは、シャープの再建です。一時、産業革新機構がスポンサーに名乗りをあげましたが、公的資金を使って救済することの是非をめぐっては、最後まで議論がなされました。

また、DRAM専業メーカーのエルピーダメモリは、日本政策投資銀行が300億円を出資しましたが、2012年、製造業では過去最大の負債総額4480億円で倒産したのも記憶に新しいところです。

いったい、政府はどこまで関与すべきなのか。

原発メーカーの東芝は、東京電力福島第一原発の廃炉の責任を果たす必要があることから、政府としても東芝をつぶすわけにはいかないという事情があります。まさしく、“国策会社”として生かしていかなければいけないわけです。

果たして、半導体事業の売却において、政府がどこまで関与すべきなのか。むずかしい判断が求められているのが現状です。

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