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「森友」国会、在米邦人も懸念



古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

【まとめ】

・国会は「森友」と「日報」問題一色。

・迫りくる北朝鮮・中国の脅威。

・在米邦人も今の国会に懸念。

■「森友学園」問題に終始する国会

日本の国会はなぜあんな微細な問題しか論じないのか。日本という国家の根幹を揺さぶる目前の危機をなぜ語らないのか。いま日本を外からみていて痛感する日本の国政の異様なあり方を嘆くのは自分だけではないことがわかった。日本の政治家たちよ、どうしたのか。そんな問いかけである。

私はこのところアメリカの首都ワシントンにいる。トランプ政権の動向を現地で追って、少しでも皮膚感覚で理解し、その考察を日本に向けての記事で伝える作業のためである。もっともワシントンには通算すれば、20数年、滞在してきた。

そんな私でも日本でのニュースは細かく入ってくる。日本の新聞の国際版が毎日、配達される。NHKのニュースが有線テレビで受信できる。インターネットでの日本のメディア検索はいうまでもない。そうした環境下で最近、最も気がかりなのは、日本の国会の活動である。

衆議院でも参議院でも審議するテーマといえば、学校法人「森友学園」と、自衛隊の「日報」ばかりなのだ。しかもどうみても、手続き上のミスを追及する次元の、国家の枠組みとか運命とは、無縁の課題である。

■迫りくる北朝鮮の脅威

一方、ワシントンからみた現在の日本はどうだろう。北朝鮮の核兵器の危機が迫る。北朝鮮の弾道ミサイルが実際に日本に向けて飛んでくる。カルト的な独裁者は日本国内の米軍基地を狙うのだと豪語する。これは日本国の危機である。

中国の日本領海侵入も重大である。尖閣諸島を奪取しようと、毎週のように武装艦艇が日本の領海に入ってくる。日本側の中国への態度がよくないと、中国の傲慢な外務大臣が言い放ち、日本人は「心が病んでいる」とまで断言する。

同盟国のアメリカからも新たな期待はひしひしと伝わってくる。トランプ政権は日米同盟の堅持こそ強調するが、いまの日米安全保障関係に不満があることは明白である。日米の貿易の現状にも抗議している。日米二国間の自由貿易協定を結ぼうと圧力をかけてくる。

日本の対外関係では最も大切な対アメリカ関係の基本をどうするのか。

こうした北朝鮮、中国、アメリカと、少なくとも三つの国からの衝撃波のような新潮流に日本がどう応じるべきか。その以前にいま日本がどんな危機やうねりにさらされているのか。

こんな現状なのに、日本の国会論議は「森友学園」と「日報」にあけくれするのだ。こうしたゆがんだ状況がおかしいと思う日本人は私だけでないことをいやというほど実感した。それは奇妙な安堵にも似た感情だった。

■在米邦人も国会論議に懸念

ロサンゼルスをこのほど訪れ、アメリカ在住の長い日本人の人たちと話す機会を得たとき、じつに多くの人たちが私とまったく感想を述べたのだ。地元の日本人、日系米人の組織「日系と友人たち」だった。

日本の政治や歴史を勉強しながら相互の友好を深める団体である。2年ほど前に結成され、ハワイやカリフォルニア在住が半世紀という実業家の片山隆夫氏が代表となっている。私はその団体から講演を頼まれて、出かけていったのだ。

この団体ではロサンゼルス近郊のグレンデール市の慰安婦像設置の動きに反対してきた経営コンサルタントの今森貞夫氏らも中核となっていた。同市では2013年7月に地元の日本人、日系人の反対を押し切って旧日本軍の従軍慰安婦像が建てられた。

今回の私の講演はその慰安婦問題とは直接に関連なく、依頼されたタイトルは「どうなる激動の世界」とされていた。トランプ新政権のアメリカが今後どんな対日政策をとり、とくに慰安婦問題のような歴史問題は今後どうなっていくのかをも語った。

講演には100人ほどが集まった。講演での質疑応答だけでなく、その前後の懇談でも多くの人たちと意見を交換した。半田俊夫、鈴木敦子、清水好といった人たちの発言がとくに印象に残った。日本の政治家の関心や論議の対象があまりに矮小で、日本国の重要な課題をとりあげていない、とくに今の国会の論議が嘆かわしい、という批判が続出したのだった。

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