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残業問題への対応についての違和感

長時間の残業による過労死の問題によって、残業に関する規制が強化されていることに関して、いろいろ考えさせられることがあります。

まず、過剰な残業を強制されるような状況は、排除するという方向性には同意しています。しかしながら、それに対応する法律や企業の対応にすっきりしない感じを持っています。

一つ目の違和感は、時間によって成果が決まる労働とそうでない労働を一緒に扱っていることです。これは、日本では、時間によって成果が決まるのではない労働の定義が明確でないことが根本の原因です。アメリカでは、Exempt という定義があります。日本でもそれに準じて政府がホワイトカラーエグゼンプション制度を作ろうとしたことがあります(マスコミと野党の反対でできませんでした)。Exempt とは、時間で成果を出すわけではない仕事に就いてる人を、そうでない人(時間で成果が決まる仕事をしている人)と区別するための定義で、基本的に給与は年俸で残業代はありません。例えば、ソフトウェアエンジニア(プログラマではない)は Exempt です。新卒でも Exempt です。まずは、Exempt の定義を作って、Exempt 以外の人と区別して法律を適用することが必要だと思います。

二つ目は、一部の企業では、法律に違反した強制的な残業をさせていないことを証明するため、管理職であろうとも、出勤や退勤の時刻を記録するだけでなく、支給するノートPCにソフトを組み込んで、社外で PC を使った時間も記録するということを始めているということです。会社の立場としては理解できますが、そのような時刻を記録されることを社員が受け入れていることが理解できません。このような記録は、会社が会社を守るために記録し、問題になった時には、その記録が公式の時間として使われるのは明確なので、それに対抗するためには、自分で時間を記録しておくことが必要だと思います。管理職など時間によって成果が決まる労働でない労働の場合、仕事の時間は出勤時間、退勤時間、PCを使った時間で決まるものではありません。このような労働の場合、時間の記録は自分を不利にする可能性のあるデータですので、そのような時間の記録は拒否したほうが良いと思います。

三つ目は、新規のスタートアップ企業(ベンチャー企業)などの場合、必ずしも経営者と従業員の区別が明確にできないことです。自分の働きが会社の業績に直結し、株を持っている場合などは、業績が報酬につながります。そのような企業に対して、大手企業を前提にした法律を適用することに違和感があります。政府としては新規のスタートアップ企業が増えることを期待していながら、そういうモチベーションを持っている人のモチベーションを落とすのではないかと懸念しています。小さい会社では管理コストが上がってしまうことも大きな問題です。

繰り返しますが、長時間労働の問題を解決することは重要です。しかし、今の解決方法だと国際的な競争力の面で、マイナス面が出てしまうことを懸念しています。海外の企業が日本に進出することを躊躇する原因にもなるでしょう。

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