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教育制度の複線化 ~職業教育の振興策 


(出所)文部科学省学校基本調査(H27年現在値)

「国づくり、地域づくりは、人づくりから」参議院議員(全国比例区)の赤池まさあきです。

 我が国の現行の教育制度は、図表の通りです。戦後GHQの占領政策、高度経済成長による産業構造の変化もあり、普通教育、学術中心の単線型の教育制度として今日まできました。高校進学はほぼ全入となり、大学・短大の進学率は、我が国の場合は5割で、先進国と比較して低いと言われています。実は、非大学系の高等教育機関である専門学校(法令上は専修学校専門課程)が、統計に入っていないのです。専門学校進学率は2割近くあり、それを含めると7割の若者が、高等教育機関で学んでおり、先進国と比較しても遜色はありません。

 我が国の教育の課題は、普通教育、学術中心の単線型で、キャリア教育・職業教育が不十分で、教育と社会・職業との連接が円滑にいっていない点だと指摘されています。単線型だという普通教育・学術教育も大学院まで考えると世界最高水準とはとても言えない中途半端なものになっています。高校進学は、本人が進路を真剣に考える機会がほとんどないまま、偏差値輪切りで、何となく普通高校に進学することになり、専門高校が定員割れを起こす傾向があります。現場の教師や保護者の意識、社会の風潮もそうです。勉強する意欲が低いまま進学することで、高校中退者を生み出し、在校していても学習意欲が低く、自尊感情、自己肯定感の低下に繫がっているのではないかと思います。

さらに、少子化が進行し、受験者より定員が上回るという大学全入時代となり、自分の将来設計や職業を意識して、進学先を選択しない先送り(モラトリアム)となったり、大学・短大側も旧来の教育を行うばかりで、少子化と相まって定員割れを起こしています。教育機関が社会や職業と密接に繋がっていないために、社会人の学び直しが進んでいません。2割も進学する専門学校は、都道府県の認可校であり、国(文科省)が認可する学校制度ではないために、統計にも入らず、大学や短大、高専と違い、国からの経常費支援はありません。

 今後の我が国の教育は、普通教育・学術教育を世界最高水準に引き上げるとともに、キャリア教育・職業教育を強化して複線型とし、産業界と密接に連携して、高度職業人を要請し、社会人の学び直しを推進していくことだと思います。それによって、経済再生や地方創生に資することに繋がります。

●職業教育の振興策

3月17日(金)は、自民党本部で専修学校等振興議員連盟(塩谷立会長)の総会が開催されました。自民党国会議員約30名が出席し、文部科学省や厚生労働省の担当者、全国各地から専修学校関係者も参加してくれました。私は、議連の事務局次長として、当日司会進行しました。

小林光俊・全国専修学校各種学校総連合会会長から、次の6点の要望を頂きました。

⑴専門職大学(短大)の今国会での法制化実現
⑵専門職大学(短大)の特色に相応しい設置基準の弾力化
⑶現行の専修学校の振興策の具体化 
 ①産学連携と社会人学び直しの促進等の人材養成機能の向上
 ②教職員の研修充実、職業実践課程の高度化、情報公開徹底等の質の保証・向上
 ③授業料減免、高等専修学校支援、被災地支援等の学びの安全網の保障
⑷給付型奨学金の対象拡充と家計急変への対応
⑸高等専修学校の学校安全・災害共済給付制度への加入
⑹厚労省施策のより一層の活用 
 ①教育訓練給付の専門学校の短期プログラムの承認
 ②公共職業訓練(委託訓練)の非正規正社員化に向けて専門学校の活用

 以上の団体要望を受けて、担当省庁から予算措置や法改正、運用改善の対応策を聞きました。参加した国会議員からは、職業教育を充実させ、若者を支援し、社会人の学び直しに繋げていくよう、予算や法改正、設置基準の成立に向け、発言が相次ぎました。

上記で頂いた要望に関連して、私は参議院文教科学委員会委員長として、今国会では次の4点の審議の責任者となります。

①専修学校関係予算(35・6億円)を含む文部科学省関連予算5・4兆円の審議
②給付型奨学金導入のための学生支援機構法の改正
③専門職大学創設のための学校教育法の改正
④高等専修学校の災害共済給付制度加入のための日本スポーツ振興センター法改正

以上の成立に向けて、重責を担っているわけですから、全力を尽くせねばと決意を新たにしたところです。

  私は、わが国の伝統的な精神、智・仁・勇の「三徳」に基づき、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」をモットーに、全ては国家国民のために、日々全身全霊で取組みます。

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