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【ホワイトハウス内の通商戦争】

ドイツのメルケル首相が14日、トランプ大統領と会談します。議題の1つと伝えられているのがアメリカの対独貿易赤字

通商政策についてトランプ大統領に助言する国家通商会議(National Trade Council)のPeter Navarro委員長が「ドイツがユーロ安に誘導していることで輸出を有利にしている」と批判するなど保護主義的な主張を展開しています。

そのナバロ委員長の派閥と、ゴールドマンサックス出身で国家経済会議(National Economic Council)のコーン委員長の派閥の間で、通商政策をめぐる対立が激しさを増しているいという報道が相次いでいます。コーン委員長ら自由貿易派が盛り返しているようです。

FTはWhite House civil war breaks out over trade(通商めぐってホワイトハウスで内戦勃発)の中で、経済ナショナリストウォール街出身の自由貿易派の間で内紛が勃発し、ホワイトハウスの大統領執務室で「火花が散るような会議(fiery meeting)」が開かれたと伝えています。

ナバロ国家通商会議委員長のほか、バノン首席補佐官の一派が強硬派

これに対してゴールドマンサックス出身のコーン国家経済会議委員長が穏健派

内紛の中心にいるのがナバロ氏で、ドイツが欧州の統一通貨ユーロを割安に誘導して輸出を有利にしていると批判していて、アメリカの対独貿易赤字を削減するための2国間交渉を開催するよう求めています。 

14日にメルケル首相がワシントンを訪問し、その後、ドイツでG20の財務相会議が開かれるのを前に、ホワイトハウス内で経済政策をめぐる主導権争いが激しさを増しているとのこと。

その上で「関係者によると、最近はナバロ氏の影響力が低下している」としています。ナバロ氏に対する世間の批判をてこにコーン氏らがナバロ氏を追いやろうとしていて、国家通商会議の部屋をホワイトハウスから商務省に移すかどうかという問題に発展しているということです。ちなみに商務長官はウォール街出身のWilber Rossなので、居心地はよくないかも(^_^;)

孤立を深めるナバロ氏に対して、大統領執務室の近くに陣取っているコーン氏は、元外交官でオバマ政権下でTPPの上級交渉官としても評価されたAndrew Quinnをスタッフとして迎え入れました

この人事とナバロ氏の影響力低下は「通商戦争に発展しかねないと心配していた各国の政府高官の懸念緩和につながっている」とFTは解説しています。通商交渉の窓口はコーン委員長やトランプ大統領の娘婿のJared Kushnerが担っているそうです。

New York Timesも米独首脳会談と国家通商会議のナバロ委員長を取り上げています。

After Warily Circling, Trump and Angela Merkel Prepare to Meet(旋回ののち、トランプとメルケル会談へ)の中で、14日の首脳会談について、「偉大なる破壊者が自由世界秩序の最後の擁護者と対面する(The great disrupter confronts the last defender of the liberal world order)」と評しています。

NATOについて両者が折り合いをつけることができたとしても通商では対立することを心配しています。

ナバロ委員長が最近、ドイツが通貨ユーロを意図的に割安に抑えることで輸出を増やしていると批判。これに対してメルケル首相は、BMW、シーメンスといったアメリカを拠点にしている大手メーカーの経営者を引き連れていくということです。

ドイツにとってトランプ大統領率いるホワイトハウスは「謎(riddle)」だとして、ナバロ委員長やバノン首席戦略官のようなイデオロギー的な強硬派コーン委員長や安全保障担当のマクマスター大統領補佐官のような伝統的なリアリストが張り合っていることで困惑しているようです。

バロ委員長は5日、Wall Street JournalにWhy the White House Worries About Trade Deficits(ホワイトハウスが貿易赤字を懸念する理由)を寄稿しています。

要は、貿易赤字の裏には貿易黒字の国がいて、それが世界の覇権を狙っている軍事大国だった場合、貿易黒字のお金でアメリカの企業や技術、農地、食品のサプライチェーンを買いあさり、最終的にはアメリカの防衛産業を牛耳ってしまいかねないというものです。

これに対して、Wall Street Journalの社説は、真っ向から反論。「トランプ大統領が公約通り、減税に踏み切ればアメリカはますます投資に行き先として魅力的になる」と指摘しました。

トランプ政権は経済成長率を引き上げることに専念するべきで「成長が十分で国民の所得が伸びていれば、誰も貿易赤字なんて気にしないだろう(If growth is fast enough, and incomes are rising, no one will care about the trade deficit)」と締めくくっています。

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