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都道のイチョウ並木伐採で進む環境・景観破壊――問われる小池都知事の姿勢(伊田浩之)


イチョウが伐採された白山通りの東側。2月27日、東京・千代田区。(撮影/伊田浩之)

小池百合子東京都知事は、公約の一つ「世界をリードする環境先進都市」を実現する気があるのだろうか。その「試金石」となりうるのが、電線などを地中に埋める「無電柱化」が進む東京都千代田区の都道「白山通り」だ。工事に伴うイチョウ並木伐採に対する住民説明会が2月21日夜、同区立神田一橋中学校であったが、沿道の町内会長が「イチョウ伐採は聞いていない」と指摘するなど都の説明のずさんさが浮かび上がった。

神保町交差点から水道橋駅までの都道「白山通り」約700メートルは東京五輪のマラソン予定コースのうち唯一電柱が残るエリア。小池知事は「都道の電柱ゼロ化」を打ち出しており、都は「防災対策」であると説明会で強調したが、参加者からは「五輪のための工事のはず。防災理由とは思えない」「(東京大空襲後の)戦災復興の象徴であるイチョウを説明なしで伐採するのは地域の思いを理解してない」など厳しい意見が続いた。

そもそも小池知事が掲げる「ヒートアイランド対策の強化」と、大木を伐採して若木に植え替えるのは真逆の行為だが、都は街路樹によるクールダウン効果について試算していないという。

都は、推定樹齢50~100年のイチョウの樹木約129本のうち、すでに東側の21本を伐採している。しかし、「一般住民等への説明会を開くなど、懇切な対応を時間をかけて行うこと」「1本でも多くの貴重な街路樹を生かすよう対応をすること」などを求める陳情を、東京都議会が昨年12月15日に趣旨採択し、伐採はようやく中断している。

白山通り西側の伐採について東京都第一建設事務所は「千代田区の方針と都の技術的再検討結果のすり合わせを行なうまで休止する」としているが、どの程度のイチョウが保存されるかは楽観を許さない。景観と環境に対する小池知事の姿勢が問われている。

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