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産地偽装米騒動-ダイヤモンド誌単独スクープ記事の信用性が揺らぐのか?

東芝問題、DeNA問題、三越伊勢丹騒動、ガバナンス報告書関連、そして昨日の続き記事(後編)と、書きたいことはたくさんありますが、ブログ作成に費やす時間には限りがありますので、最も関心のあるテーマをひとつだけ書かせていただきます。

京都の米卸業者による産地偽装米騒動が重大な局面を迎えています。JA京都中央会の特設HP「中国産米混入の雑誌記事に関する情報公開特設サイト」の3月13日付けリリースによりますと、同卸業者が保有していた産地米数種を一般財団法人日本穀物検定協会(東京)に持ち込まれたことはすでに公表されているとおりですが、その受検結果がついに判明しました。週刊ダイヤモンド誌では「滋賀産米といいながら海外産の可能性が高い」と指摘されていましたが、同卸業者が保有していた(産地偽装が疑われた)すべての産地米が、専門機関による検査で「日本産」と判定されています。ただし「新潟」「魚沼」等の具体的な産地判別にまでは至っていないようです。

さらに、同卸業者ならびにJA京都中央会側は「反撃」どころか制圧の勢いを増しており、週刊ダイヤモンド社の依頼に応じて「中国産」と判別した検査事業者に対して質問状(情報開示請求)を提出しました(質問状の内容も上記HPでアップされています)。つまりダイヤモンド社の刑事告訴、民事賠償に援用できる重要証拠の収集に動き出したということです(送付先の事業者も、同位体検査で有名な事業者なので、当該事業者にとっても一大事かと思われます)。

当ブログでは、この事件を最初に取り上げた際、「単独スクープは事件化がむずかしい」と書きましたが、やはり今回もむずかしい、という結果になるのでしょうか?それとも農水省が調査を開始したと報じられていましたが、農水省の調査結果次第ではダイヤモンド社の再逆転もあるのでしょうか?(それにしても、人気国会議員の方から「早く調査しろ」と促されている農水省としては、いったい調査は進んでいるのでしょうか?)今の情勢からみますと、(打ち上げた花火が大きかっただけに)大手経済雑誌の企業不祥事報道の信用性が毀損されるという重大な事態になりかねないと思います。

私は内部告発を支援するケースもあれば、「闘うコンプライアンスの実践」として事業者の汚名返上に関与するケースもありますので、どちらかに与するものではありません。ただ、現在は京都の卸業者側としては「闘うコンプライアンス」として最大の努力をしているところでありますが、ダイヤモンド誌が「記事には絶対の自信を持っている」と宣言している以上、多くの消費者、取引業者の風評被害を完全に回復するには至っていないように思います。いずれにせよ、企業コンプライアンスに関心のある専門家であれば、この騒動の帰趨には注目せざるをえません。

消費者と向き合う企業のコンプライアンスが「安全から安心へ」と移行する時代になればなるほど、マスコミによる不祥事報道が企業の信用毀損に及ぼす影響は大きくなるばかりです。だからこそ、内部告発には真実相当性を担保するだけの内部資料が必要となりますし、その資料収集行為の適法性が担保される必要が高まりつつあると考えます。

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