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[マンガ]日本経済が回復する魔法の粉

監修=塚崎公義(久留米大学教授) 作画=室木おすし [第9回テーマ=合成の誤謬]

魔法っすか?
そんなものあるわけ…

モワワ~ン

あるよ~。

え?

ちょっと高いが、持っとるわい。

ホント!?
金はいくら払ってくれるらしいから、早く出して!

ジャーン

なにこれ?

景気が一瞬で回復する「魔法の粉」じゃ。
試しにちょっとふりかけてみるか。

ふりかける?
どうやって?

こうやってふりかけると…

なんだこりゃ?

これは、まじめな国民を不真面目にする粉じゃ。
勤勉で倹約家の日本人全員が仕事より遊びを大事にして、
貯金を全部下ろしてムダ遣いをするようになる。

アホか!
なんで、それで景気がよくなるんだよ!

いいか、日本経済が長期停滞している理由、
それは、日本人が勤勉で倹約家だからじゃ。

なんだって?
それのどこが悪い?
日本人のいいとこじゃんか!

しかし、それがマイナスになることもあるのじゃ。
例えば、お前が映画館で映画を見ているとする。
もし、火事が起きたらどうする?

出口にダッシュするさ。

そうだ。それは正しい行動だ。
だが、みんなが一斉に出口にダッシュしたらどうなる?

あっそうか!
みんなが出口に殺到して逃げ遅れちゃう!

つまり、一人ひとりが正しい行動をとっても、
全員が同じ行動をすることで、全体として悪い結果になる。
これを経済学では「合成の誤謬(ごびゅう)」という。

誤謬って?

「誤り」という意味じゃ。

じゃあ、日本人が勤勉と倹約家というのも…

よく働いてムダ遣いをせず、貯金するのはよいことだ。
だが、日本人のほとんど全員がそれをやったから
不景気になったのじゃ。

みなが倹約に務めると、作ったモノが売れ残るから、
企業は業績が悪くなって社員をリストラせにゃならん。
失業者は金がないからモノが買えないから、
さらにモノが売れ残る……

だから、この粉をかけたのか。

みんながサボるようになれば、労働力が足らなくなり
企業はしかたなく失業者を雇う。
みんなが貯金を使うようになれば、
消費が拡大して、企業の業績があがり、給料もあがる。

とにかく、国民みんなが豊かになるためには、
国民がみんなで金を使うことが大事なんじゃ。

それって「合成の誤謬」の逆パターンだね。
全員が間違ったことをすれば
全体として正しいことになる…。

よし、その粉、サチ姉に売ってあげてよ。
いくらすんの?

1700兆円くらいかな。

せ…1700兆円!!!

日本人の個人金融資産はそれくらいだからな。
みんなが貯めている資産が市場に出回れば
不景気なんぞ一瞬で吹き飛ぶわ。
フハハハハハ。

誰が払えんだよ!!!

日本経済が長期低迷している原因が、勤勉と倹約とは知らなかった。
ひとりが大金を使っても、その人が貧乏になるだけだけど、
日本人全員が金を使えば、景気が回復してみんなが豊かになる。
経済ってふしぎだなあ。

(終わり)

監修 塚崎公義
久留米大学商学部教授。1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。経済分析、経済予測などに従事し、2005年に退職して久留米大学へ。『なんだ、そうだったのか! 経済入門』など著書多数。

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