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フランス大統領選、“極右政党”マリーヌ・ルペンの勢いが止まらない - 木村 正人

 1回目の投票が4月に迫ったフランス大統領選で、「極右政党」国民戦線のマリーヌ・ルペン党首(48)の勢いが止まらない。3月上旬に行われた最新の世論調査では、27%の支持を集めて、首位を走る。対抗馬には24.5%で、中道のエマニュエル・マクロン前経済産業デジタル相(39)が続く。

 2月末、筆者はルペンの選挙集会が開かれた西部ナントを訪れた。9000人収容の会場に白ブラウス、黒スカートのスーツで登場したマリーヌは、「もう誰も我々を止められない」と堂々と語り、聴衆の喝采を浴びた。一方で、会場外では、極左集団が国民戦線のバスを襲撃し、警備の保安機動隊と衝突。催涙弾や投石が飛び交い、負傷者も出た。

 渦中にあるマリーヌ・ルペンとは何者か。

 父のジャン=マリー・ルペンは、ナチスのユダヤ人虐殺を「第2次大戦の些末事」と放言した悪名高い人物。1968年、マリーヌは3人娘の末っ子として生まれた。8歳の時、自宅を爆破され、アルジェリア独立に反対して国民戦線を結党した父への憎悪を思い知る。16歳の時、最愛の母が父の伝記作家と駆け落ち。それを境に父の国民戦線にのめり込み、18歳で入党。パリ大学で法律を学び、公選弁護士として活動、国民戦線の法律顧問も務める。2011年に党首となってからは「脱・悪魔化」を掲げて、党のイメージチェンジを図り、父を追放している。


「同性結婚の廃止」も公約 ©共同通信社

 生まれ変わった国民戦線は国民国家と主権の復権を支柱に据え、「反イスラム、反移民・難民」「EU離脱の国民投票実施」「自国通貨フランの復活」などを唱える。

 最新の世論調査によると、上位2人が激突する5月の決選投票ではマクロンが61%を集め、39%のマリーヌを逆転するとされるが、マリーヌは米国のトランプ大統領を彷彿とさせる“弱者救済”の目線で、国民に訴える。

「マネーとメディアはマクロンの味方だ。(投資銀行出身の)マクロンは金融界とつながっている」

 グローバル経済に疲弊した国民は、歳出削減を掲げる構造改革派のマクロンを支持するのか、それとも――。フランス史上初となる女性大統領誕生の可能性は否定できない。

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