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文科省、指導要領改訂案で「森友学園」的愛国教育――幼稚園・保育所にも“君が代” (永野 厚男)

文部科学省が「大綱的基準として各校の教育課程編成に法的拘束力がある」とする学習指導要領(以下、要領)について、2月14日公表した改訂案(小学校は2020年度、中学校は21年度から全面実施)は、政治色を一層強めている。

現行要領は08年3月告示。(1)改正教育基本法の“国を愛する態度”を、「総則」(全教育課程に関係)に盛り、(2)小学校音楽で“君が代”を1年生(6~7歳児)から「歌えるよう指導する」としている。

今回の改訂案は、(1)では「総則」の前に新設した前文でも“国を愛する態度”を明記。(2)は今回、幼稚園・保育所にも及んだ。現在「内外の行事において国旗に親しむ」と記すに留めている幼稚園教育要領を、「正月や節句など我が国の伝統的な行事、国歌、唱歌、わらべうたや我が国の伝統的な遊びに親し」むと加筆する。厚生労働省もこれに合わせ、保育所保育指針を同様に改定するとしている。

領土問題は現在、小中とも社会の全教科書が北方領土・竹島・尖閣諸島を日本の領土だと記述しているが、改訂案では尖閣については「領土問題は存在しないことも扱う」と、教え方まで強制する。

小学校4年社会の改訂案の「自然災害から人々を守る活動」では、「国の関係機関」について自衛隊だけを明示し「取り上げる」よう強制。軍事面には賛否両論ある自衛隊について、中学3年の社会・公民で学ぶ遥か前に、「役立つ組織だ」と刷り込むのは危険だと、研究者や教諭らは警鐘を鳴らす。

なお、現行要領における(1)(2)の加筆には、当時、右翼政治団体の組織的なパブリックコメント“工作”の後押しがあった事実を、市民らが文科省でパブコメ全文コピー(個人情報は削除)閲覧時、担当係長への質疑で確認している。

それだけに、文科省が3月15日までホームページで公募しているパブコメの行方が注目される。

(永野厚男・教育ジャーナリスト、2月24日号)

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