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榊原経団連会長「長時間労働なくすと競争力が低下する」→事実は長時間労働で国際競争力が激しく低下

 2月14日に開催された「働き方改革実現会議」で、榊原定征経団連会長は残業時間の上限規制について留意する必要があるとして次のように述べています。

第1に、日本では、これまで社員の勤勉さと長時間労働が産業競争力を支えてきた側面があります。長時間労働を許容する雇用慣行は変えていくべきでありますけれども、余りに厳しい上限規制を設定しますと、企業の国際競争力を低下させる懸念があります。(政府の第7回「働き方改革実現会議」での榊原経団連会長の発言)

 「長時間労働が競争力を支えてきた」から上限規制を設定すると「企業の国際競争力を低下させる」というのは、本当でしょうか?

 下の表は内閣府のデータです。この表を分かりやすくしてみたものが下のグラフです。

 アベノミクスになって国際競争力はOECD35カ国中で20位にまで落ち込んでいるのです。日本は1996年には3位だったのですからこの落ち込みぶりは目を見張るものがあります。

 この国際競争力の落ち込みと、厚生労働省「過労死等の労災補償状況」の脳・心臓疾患(過労死等)と精神障害(過労自殺等)の労災請求件数(死亡事案含む全体の労災請求件数)の推移でグラフをつくってみたものが以下です。

 上のグラフにあるように、榊原経団連会長が言っているのとは全く逆で、長時間労働等による過労死・過労自殺が増えて国際競争力は低下しているのです。

 以前、「バカンスが30日間のフランス、夏休みが3日の日本」「フランスより2倍以上も働いている日本」のGDPがフランスより遥かに低い事実」という記事の中で紹介していますが、下のグラフにあるように日本は長時間労働が突出して多い国ですが、日本より労働時間が短い他の国はすべて日本より国際競争力は高い(一人当たりGDPは高い)のです。

 そして、下のグラフにあるように、「バカンスが30日間のフランス、夏休みが3日の日本」「フランスより2倍以上も働いている日本」のGDPがフランスより遥かに低い事実は、榊原経団連会長の「長時間労働が競争力を支えてきた」から上限規制を設定すると「企業の国際競争力を低下させる」という主張がデタラメであることを明確に示しているのです。

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(井上伸)

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