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発達障害、入学前からの対応が不可欠

新学期を控え、発達に課題を抱えるお子さんの就学について、まだ相談を続けているご家庭もあるかもしれません。総務省行政評価局は先頃、発達障害者支援に関して、乳幼児期から切れ目なく適切な支援が受けられるよう、文部科学省と厚生労働省に勧告しました。発達障害児への支援には、何が必要なのでしょうか。

「支援法」から10年、学校も試行錯誤

2004(平成16)年12月に制定された発達障害者支援法(05<同17>年4月施行)は、国や都道府県、市町村に対し、発達障害の早期発見と発達支援、就労・生活支援、家族への支援を行うことを義務付けています。

施行から10年が経過し、その間、2007(平成19)年度から、かつての特殊教育が「特別支援教育」に衣替えされて発達障害も対象になり、通常学級の中で特別な配慮が行われたり、通級による支援が行われたりするようになりました。以前なら「困った子」「できない子」などと本人の問題に帰されていたものが、実は努力の問題などではなく、個々の状態に応じて特別な支援が必要であることが、ようやく認識されるようになってきた10年であると言うこともできます。

ただ、学校現場にとっても、試行錯誤の10年間だったことは確かです。通級のための教員加配はあるものの、大抵は学級担任が、特別支援教育について研修を受けたり、独自に勉強をしたりしながら、通常の学級の中で、対象となる児童生徒一人ひとりの「困り感」に応じて、手探りで配慮を加えながら、全体の授業を進めています。ティームティーチングで入ったもう一人の教員や、学習支援ボランティアが、授業の中で個別に指導を行うこともあります。

まずは早期発見と支援計画から

勧告によると、乳幼児検診時や在学中の行動観察で、発達障害が疑われる児童生徒を見逃している恐れがあるといいます。それが支援の遅れにつながり、不登校や暴力行為などの「2次障害」につながっている場合がある……というのです。

また、作成すべきものとされている支援計画が、医師の診断のある児童生徒だけに限定され、支援が必要な者に計画が作成されず、進学先への引き継ぎも十分に行われていない恐れがあるとしています。

そこで、市町村での早期発見に資する有効な措置を講じるとともに、支援計画の作成対象とすべき児童生徒の考え方を示し、必要な支援内容等が引き継がれるよう、具体例を挙げて周知すべきだとしています。

発達障害は「発達の凸凹(でこぼこ)」とも言われるように、できない部分がある反面、特定の分野には飛び抜けて能力を発揮するケースも少なくありません。少しの配慮で学級や授業に適応を図る一方で、早期からのきめ細かな支援により、その子の能力を最大限に伸ばすことが求められます。

それには、手厚い支援体制も欠かせないでしょう。通級は新年度から10年間で対象児童生徒13人に1人の教員が自動的に配置されること(基礎定数化)も決まりましたが、今後とも更なる充実が期待されます。

※総務省 発達障害者支援に関する行政評価・監視<結果に基づく勧告>
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/110614.html

(筆者:渡辺敦司)

プロフィール

渡辺敦司
渡辺敦司
1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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