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中国国内の駆け引き

中国の駆け引きといえば経済、外交など一般的には外向きの影響力を指すかと思いますが、今日は中国で始まった全国人民代表大会(全人代)を踏まえて、中国の国内の様子から世界との対話姿勢を考えてみたいと思います。

まず、首相の李克強氏が大会初日に演説し、本年度の経済成長率を2016年の6.5-7.0%から引き下げ、6.5%と目標の下限に設定したことが注目されます。李首相はかねてから中国経済の不健全さを解消しようと様々なアプローチをしてきました。いわゆるリコノミクスで更に李克強指数と称される電力消費量、鉄道貨物輸送量、中長期の銀行貸し出しといったメジャメントをその経済の実態の測定に積極的に活用したことで知られています。

李氏の経済観は中国は供給側の調整ができないことに問題があると考え、それを一定内にコントロールすることで経済の安定運営を図っていこうとするものであります。これはそれまでのイケイケどんどん型ではないため、経済成長には後ろ向きになりやすく、その結果が現在のゆっくりと下降する経済成長率に出ています。

当然ながら習近平国家主席はこの下向きの経済に心地よく思っておらず、両者の不仲の原因の一つになっているとされます。しかし、習国家主席も粛清と汚職の摘発には積極的であり、それらで潤っていた人々が財布を締めたり、目立たないように行動することで消費が低迷していることも理由にあります。

つまり、私から見ればどっちもどっちなのですが、いま中国が必死になって経済スピードの調整を行うのはバブルがはじけないよう細心の注意を払った経済運営であるとも言えるのではないでしょうか?

私は年初に今年の中国は動きが取りにくい、と申し上げました。理由は5年ごとに行われる秋の党大会(全国代表大会)で大幅な幹部の入れ替えが見込まれ、その駆け引きで多くのエネルギーを費やさなくてはいけないと読んでいるからです。そうなると政策はどうしても保守的、保身的になりやすく、習近平国家主席が4月にもトランプ大統領との会談に臨むのではないかとされるのもトランプ大統領の攻撃的姿勢を緩和するために対話による「緩衝」を行うからではないかと考えています。

となれば習近平国家主席に取ってみれば少なくとも秋の党大会が終わるまでは何事も起きてほしくない、と考えている節はあるのではないでしょうか?例えば金正男氏殺害についても中国からはほとんど声が聞こえてこないのは「巻き込まれたくない」⇒金正恩氏を下手に刺激したくないからでしょうか?ではなぜ、韓国にはあれほどけん制するのか、といえば明らかに相手の立場が弱く、指導者もおらず、読みやすいからでありましょう。

中国としてはあと半年、何も起きてほしくないとも取れ、経済も李克強首相は好きではないけれどここは泳がせておくのが得策と考えている節がないでしょうか?経済指標的に注目されるのが流出する外貨準備高で公式発表で3兆ドルを割って更に下がり続ける今、海外でM&Aにも打って出られず、海外不動産の買収もままなりません。

日本のバブル崩壊の時を重ね合わせれば今後、更に悪化が止まらなければ中国企業や国家が持つ海外資産の売却に走る可能性も否定できないでしょう。

国内の権力闘争が今後、ピークを迎える中でなかなか厳しい経済運営を余儀なくさせられるというのが私の見る当面の中国であります。

では今日はこのぐらいで。

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