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中国の全人代と自民党党大会

 昨日は中国の全人代(全国人民代表大会)の初日と、自民党の党大会が同時に行われた。どちらも政党の大会だが、全人代は中国共産党の大会で、一党独裁だから国会と同じことになる。習近平国家主席の地位は安泰で、忠誠を誓う演説が相次いだようだ。広々とした人民大会堂は赤絨毯が敷き詰められ、大半が軍人に見える代議員が整然と並んでいた。権力の絶対性を誇示し方針を徹底させる政治ショーのようなものらしい。

 一方の日本の自由民主党大会は、会場は単に「都内のホテルで」と伝えられて、一日だけで終る。しかしここで総裁の任期を、2期6年までから3期9年までに延長する党則の改定を行ったとのことだ。安倍首相の任期は現在2期5年目だから、これで来年に再々選されれば、2021年までの在任が可能になる。もしこれが実現すると、首相としての任期の長さも、桂太郎、佐藤栄作を抜いて史上最長になる。

 この長い任期を視野に入れて、安倍首相が何を目指しているかというと、そこに「憲法の改正」が最重要のテーマになっていることは明示されている。どういう憲法にしたいかは、自民党の「憲法改正案」に書いてある。そして憲法の改定を発議し可決するために必要な、衆参両院での3分の2の議席を、自公の政権与党は確保しているのが現状である。

 ここだけを見ていると、天下の形勢はもはや決まっている、ぐずぐずせずに実行あるのみと思われるかもしれないが、それは待ってほしい。選挙で支持されたと言っても、得票率で自民党が過半数を占めたりはしていないのだ。今の小選挙区制では大量の死票が出る。そして投票率は低くて、選挙権を使わない人が大勢いる。選挙がつまらないから行かなくなってしまったのだ。もともとは政権交代が起こりやすいようにと考えて作られた選挙制度だったのだが、一回だけ実現した民主党への交代が失敗したのが祟って、一強支配の道具へと逆転してしまったのだ。それは対立点が明瞭な場合の首長選挙などを見ていればわかる。原発の可否などの争点がはっきりしている場合は、ミニ国民投票的な正直な結果が出る。

 今の日本は、こんなふうに、いびつな政治環境の中にあるということを、とくに若い有権者の人たちに知ってほしいと思う。保育所が見つからないのも、正社員の採用が少ないのも、みんな政治と関係したところから出て来る問題なのだ。そして、できたら憲法も読んてみてほしい。今の世の中がおかしいのは、憲法が悪いのではなくて、憲法の理想が実行されていないのが悪いということがわかるだろう。

 結論的に言えるのは、次の総選挙が非常に大切になるということだ。そこでも自民党の一強支配が続くようだと、安倍自民党による憲法改定の可能性が、かなり高くなるだろう。それが実現すると、その後の日本は不可逆的に変り始めてしまう かもしれないと思うのだ。平和で自由な国に住みたいと思うなら、そうさせてはならない。

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