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トランプは2人いる

米国人の7割がトランプ氏にTwitterを止めて欲しいと願っているが、トランプ氏は今日も変わらずTwitterで物議を醸している。トランプ氏のアカウント@realDonaldTrumpのフォロワー数は現時点で2600万人を越え、すでに巨大なメディアと化している。彼のTW一つで国が動き、経済が回る。

さて、Trump Twitter Archiveでは、2009年以降の3万以上にわたるトランプ氏のTWをアーカイブしている。それらのTWを解析してみると、トランプ氏はTWにアンドロイド端末やiPhone端末など複数の端末を利用しており、それぞれの端末ごとに活動時間帯やTWの傾向などに明確な違いがあることが分かる。トランプ大統領ツイートの統計的解析 - Togetterまとめトランプ大統領および関連のTweetおよび大統領就任演説の言語学・統計学的解析 - Togetterまとめでも紹介されているが、本エントリではその一例を紹介したい。

全てのVizはTableau Publicにリンクしており、遷移先のページでインタラクティブに閲覧することが可能だ。マウスポイントにより付加情報が得られるので、興味がある人はクリックしてみて欲しい。なお、可視化にあたっては、統計分析:酷いツイートはトランプ本人、良いツイートはスタッフによるものと判明 ? nipponomiaを参考にさせていただいた。

TW時間帯

TW時間帯

一つ目のVizは2009年から2017年までのトランプ氏のTWを時間帯別、利用クライアント別に分類したものだ。上からTW数、被RT数、被Fav数(現在では被Like数)となっている。深夜から昼にかけては、赤で示すAndorid端末からのTWが多くを占める。午後から夜にかけては緑で示すWebクライアントの利用が多かったが、2016年の選挙YearにはWebクライアントからのTWがほぼ無くなり、代わりに青で示すiPhoneからのTWが多くなっている。RTやFavなどで共有されているのは赤のAndroid端末と青のiPhoneに締められている。

TWの内容

トランプ氏は複数の端末を使い分けてTWしているのだろうか。しかし、TWの内容をつぶさに見てみると、端末ごとに特性があることが分かる。二つ目のVizはそれぞれの端末ごとのTWに含まれる特徴的な単語の割合などを示したものだ。

TWの内容

一番上はハッシュタグを含むTWの割合を示したもので、圧倒的に青色のiPhoneから発信されていることが分かる。iPhoneからのTWのおよそ5割がハッシュタグを含んでいる。ハッシュタグは拡散目的で一手間かけて付与されるものであり、iPhone端末の方が気を使っていると言えるだろう。ハッシュタグに限らず、画像やURLなども多くはiPhoneから発信されており、iPhoneの方が利他的なTWに見える。

二番目はダブルコーテーションを含むTWの割合を示したものだが、Andorid端末からのTWにおいてトランプ氏はRTを非公式RTや公式引用を使わずにダブルコーテーションで括って行っている(実に全TWの7割も)。不思議なことに同様の古いやり方の引用はiPhone端末では見られない。トランプ氏はAndorid端末を使うときだけ、今ではあまり見られない古い形式のRTを行うのだ。

下半分の4つの円グラフはそれぞれbadly(ひどく), crazy(まともじゃない), dumb(間抜け), weak(弱い)といった感情的な単語を含むTWの端末ごとの割合を示したものだ。気をつけてほしいのは赤のAndroidと青のiPhoneの割合の差であり、これらの感情表現は圧倒的にAndroid端末から発せられている事が分かる。また上記には示していないが、iPhoneのTWには、join, tomorrow, 7pmといったイベントの告知を行うTWが含まれており、ハッシュタグを用いて広報に努めている様子が見て取れる。

つまり、Andorid端末は深夜から昼にかけて攻撃的なTWを、iPhone端末は昼から夜にかけて温和で無害なTWを行っていると言える。報道によれば、トランプ氏は大統領就任後も愛用のAndorid端末の利用を止めず関係者をやきもきさせているようなので、赤で示すAndorid端末からのTWはトランプ本人が行っていると見て良いだろう。一方で青のiPhoneからの比較的穏当なTWは別人のスタッフが行っていると見てほぼ間違いない。

Twtter上にトランプは少なくとも2人いるのだ。粗暴な方と温和な方。そして不幸なことに、粗暴な方が大統領なのである。

TWの拡散状況

TWの拡散状況

最後のVizは累計被RT/Fav数の推移、分布、TOP Tweetsをまとめたものだ。選挙期間に入り、被RT/Fav数は急速に伸び、被RT数は累計で4000万以上、被FAV数は同1億を突破している。一番人気は赤のAndoridで2016年11月8日のTW、"TODAY WE MAKE AMERICA GREAT AGAIN!(今日この日をもって我々はアメリカを再び偉大な国に蘇らせる!)"という力強い勝利宣言となっている。プルダウンメニューで各デバイスごとの上位TWを確認できるので確認して欲しい。上位を眺めるだけでも傾向が違うことが分かるだろう。

傾向を見て明らかなように最もフォロワーに受けれられ拡散されているのは赤のAndroidから発せっれるトランプ氏本人のTWだ。2600万人のフォロワーを抱える巨大なメディアはトランプ氏の意のままにその矛先を向ける。そのTWの信憑性は二の次であり、増幅された感情の渦は確実に世界を動かしている。トランプ氏はSNSを政治に活用した最初の大統領として歴史にその名を刻むことだろう。

#MakeoverMonday

本エントリは毎週月曜日Twitter上で開催されているMakeover Monday プロジェクトの2017年Week 3の題材からとった。Makeover Mondayでは、毎週視覚化のお題となるデータソースが公開される(Data Sets | Makeover Monday)。500人以上の参加者がそれぞれ工夫を凝らして同一のデータの可視化を行う。作成されたVizは#MakeoverMondayで共有され、最終的にPinterestにまとめられる。可視化に興味のある人は参加してみてはいかがだろうか。

筆者も2016年半ばから毎週参加させていただいているが、どう可視化してよいか迷うお題も多い。苦労して自分のできる範囲でマシなVizを作成するものの、世界中の投稿者から多くの魅力的なVizが投稿され、こんな方法があったのかと衝撃を受ける日々だ。ちょっと#MakeoverMondayを見てみて欲しい。

なお、筆者は2017年よりTableau Ambassadorとなり(一匹だけ猫が混じっていてすごい違和感)、インターネット上におけるTableauの普及に協力させていただくこととなった。Tableauで何かやろうか、と思っている人は是非声をかけていただきたい。

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