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「ここで生活する以外考えられない」不法移民の訴え

 先週、記者会見を行った直後に逮捕され、国外退去手続きのために勾留されている22歳の不法移民(証明書類のない移民)の女性は3日、「この国のためなら何でもする」「ここで生活すること以外考えられない」と述べた。

 ダニエラ・バルガスさんの事例は先週、全米的に注目された。バルガスさんは1日にミシシッピ州ジャクソンで開かれた記者会見の帰り、友人と車に乗っているときに米連邦移民・関税執行局(ICE)の職員に身柄を拘束された。バルガスさんはその会見で国外退去処分への不安を訴えていた。

 バルガスさんの弁護士アビゲイル・ピーターソン氏によると、オバマ政権下のプログラム「児童期入国移民送還延期措置」(DACA)で守られていたバルガスさんだが、その有効期限は切れていたという。

 7歳のときに家族に連れられアルゼンチンから米国にやってきたバルガスさんは、数週間後に国外退去処分となる可能性がある。同弁護士は3日、バルガスさんの緊急滞在を申請するつもりだと述べた。

 ICEの当局者はバルガスさんを「ターゲットを絞った法執行活動」の最中に拘束したと発表したが、それ以降はコメントを控えてきた。この件の具体的な情報はプライバシー権利放棄書への署名がないと提供できないからだという。3日にコメントを要請したが、ICEの関係者からは今のところ対応がない。

 バルガスさんは3日、弁護士を通じて声明を発表し、米国での生活の詳細について語った。バルガスさんは子供として米国に連れてこられた後、「まったく新しい国について学ぶ」必要があったという。「ここに滞在し、米国の役に立つような経済活動をするチャンスを与えられるべきだ」とも主張した。

 「なぜ私を追い出したいのかが理解できない。私はベストを尽くしている。この国に来たのは自分の意思ではなかったが、ここで生活すること以外考えられないし、昨晩5時間にわたって勾留されるまでそのことに気付いていなかった」

 「ここに来ることを選んだのは私ではない。私は連れてこられ、まったく新しい国について学ばなければならなかった。離れた祖国についてもほとんど知らなかったが」とバルガスさんは声明で述べている。

 バルガスさんは米軍に入隊しようとしたことがあり、チャンスを与えられれば米国で豊かな生活が送れる可能性があるという。「優秀なトランペット奏者」なので、音楽教師にもなれると主張した。数学が得意で、英語とスペイン語の2カ国語を話せるという。

 「この国のために私ができることはたくさんあるが、政府はそれを許可してくれない」とバルガスさんは言う。「しかし、それは重要ではない。いちばん重要なのは私がこの国のためなら何でもするだろうということだ」

 ICEの当局者は暴行、殺人、麻薬密売などの罪で有罪判決を受けた不法移民に的を絞ってきたと述べた。その一方でICEは、そうした強制捜査のなかで他の犯罪歴がない、連邦移民法だけに違反した移民たちについても一部拘束してきたということも認めている。

By ALEJANDRO LAZO

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