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【追加利上げへのカウントダウン】

今月中旬(日本時間で16日の未明)にアメリカのFRBが追加利上げに踏み切るのは確実のようです。3日に講演をしたイエレン議長。政策金利を引き上げる姿勢が珍しくはっきりしていました。 10日に発表される 2月の雇用統計が注目ですね。

Reutersは、Yellen points to March rate hike as Fed signals end of easy money (イエレン、3月の利上げを指摘し、FRB緩和マネーの終了を示唆)と伝えています。

「アメリカのFRBはずっと利上げの"liftoff"をするとしながら本格的に発射ができながったが、ついに持続的に飛べるかもしれない」として、イエレン議長の3日の発言を踏まえて、3月14日と15日に開かれる公会市場委員会で政策金利の引き上げに踏み切る可能性を示しています。

FRBが過去 3 年、金融危機(日本で言うリーマンショック)のあと経済成長が持ち直すにつれて、ゼロ金利付近から金利を引き上げようとしたが、世界経済の停滞、ドル高の悪影響、原油安によって踏み切ることができなかったということです。

「これに対して2017年は、FRBが公約通り3回の利上げに踏み切れる年になることも」と前向きにとらえています。

New York Timesは、Set to Lift Interest Rate, Fed Embraces Investor’s Optimism(利上げに一直線、FRBが投資家の楽観的な見方を受け入れる)の中で「FRBは、3月中旬に政策金利を引き上げようとしている。トランプ大統領の勝利に伴って経済をめぐる楽観主義が広がっていることを受けて、投資家の予想よりもかなり早い時期だ」と伝えています。

とりわけ3日にシカゴで講演したイエレン議長がということです。珍しく明確な主張だとした上で「イエレン議長は3日にシカゴで行った講演でFRBは次の公開市場委員会で利上げに踏み切ると述べた。悪いサプライズがなければ」ということです。

年内にさらに2回政策金利を引き上げ、金融危機(=リーマン・ショック)のあとの緩和的な金利を中立的な水準に戻すことになる、とのこと。フィッシャー副議長も3日にニューヨークで同じメッセージを発信しました。

利上げの懸念としては、「減税や規制緩和、防衛費とインフラ投資の増加によって経済を刺激したいホワイトハウスとの緊張の高まり(heighten tensions with the White House, which wants to stimulate growth by cutting taxes, reducing regulation and increasing defense and infrastructure spending)」を挙げています。つまり、利上げが経済成長をチャラにしかねないというわけです。

去年12月に金融危機以降、2度目の利上げに踏み切った結果、現在の政策金利は0.5~0.75です。先週初めの時点で投資家の多くは、6月より前の利上げを想定していなかったと指摘した上で、FRBの幹部の多くが利上げの可能性を示唆した結果、アナリストの見立ては3月の利上げの可能性が高い(highly likely)

さらに株価の上昇の理由を「トランプ大統領の勝利による一時的なユーフォリアとは言いにくくなっている」として、富の増加により個人消費の押し上げ効果も指摘。

最後の最後にひよってしまうFRBにうんざりな投資家の心理を踏まえて、FRBが発言を禁じるブラックアウトの前日の3日のイエレン議長のメッセージは間違えようがなかったということです。

「今月の公開市場委員会は、雇用情勢や物価の状況が予想通り改善しているかどうか確認する。確認できれば追加の利上げは適切である」と述べました。

一方、Wall Street Journalは、トランプ大統領のイエレン議長に対する厳しい評価に焦点をあてています。

Fed Officials Indicate Rate Increase Is Likely in March(FRBの複数の高官、3月の利上げの可能性を示唆)の中で、トランプ氏が大統領選挙戦の期間中にイエレン議長率いるFRBがオバマ大統領をサポートするために政策金利をあえて低く抑えてきたと批判してきました。

一方、「トランプ大統領は就任後、FRBを公な場で非難することはしていない」ということです。

現在、FRB理事のうち2席が空席な上にDaniel Tarullo理事が来月辞任することを表明しています。

イエレン氏の議長としての任期は残り11か月ですが、理事としての任期は2024年まであります。

トランプ政権の財政政策についてイエレン議長は3日「もう少し様子を見たい(simply be patient and wait to see what happens)」と述べました。

専門家の中には「財政の議論が本格化し、政治を弄んでいる(playing politics)と批判されないためにも、少し早めの3月が追加利上げの良きときかもしれない」という言葉で結んでいます。

*イエレン議長のスピーチ

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/yellen20170303a.pdf

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