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中国による韓国いじめの行方

私が朝鮮半島に関するブログを時々書かせていただいている理由はそこに弾薬庫があるからです。今、その弾薬には爆発の危険が高まっています。一方、半島情勢は一地域問題だとして欧米ではほとんど取り上げられていません。トランプ大統領も外交的懸念では北朝鮮問題をその筆頭候補に掲げていますが、具体的なコメント、対応はまだ表向き聞こえてきませんし、実際問題、大統領も国内のことで手一杯でしょう。その意味ではアメリカがかつての外交、防衛をPreventive(予防的)に講じてきた体制から、何か起きたときの対処という後追い処理になる可能性もあります。

さて、そのアメリカが半島対策で数少ない明白な姿勢を出しているのがTHAAD(高高度防衛ミサイル)の韓国の配備であります。先日、その配備が正式決定し、ロッテがもつゴルフ場を国有地と交換し、そのゴルフ場に早ければ今年の夏ぐらいまでに配備されると報じられています。(これは韓国の大統領弾劾裁判がいかなる結果になろうともTHAADを配備するという姿勢にも見て取れます。)

このミサイルシステムは直接的には北朝鮮からの攻撃に耐えうる韓国防衛に極めて重要な装備であり、朴大統領がその導入を決め、導入決定時点では6割近い韓国国民からも評価されていました。ところが、これに大きく反発したのが中国でした。これはそのレーダーシステムで中国の一部の国防が丸裸になり、中国国防にとって甚大なる影響があるからです。その範囲は北京のすぐ手前まで迫る範囲となります。

もちろん、THAADシステムを導入するアメリカは北朝鮮だけではなく、太平洋進出の野望を抱く中国の首根っこを押える目的を兼ねているのは自明の理であります。

ここで中国はそのアメリカを苛めるのではなく、THAAD設置を許した韓国を真綿で首を絞めるようにじわじわとその態度を硬化させてきました。例えば今年の春節の際に中国から韓国向けチャーター便を不許可にしたり韓国製化粧品などにいちゃもんを付け輸入不許可にしました。

ところがTHAAD配備が正式決定した今、中国はその牙をむき出しにしてあらゆる手段を使い、韓国を締めあげようとしています。もう、真綿の次元ではなく、斧とこん棒をもって本気でやる気を見せています。

かつて尖閣問題の際、日本製品不買運動で日中関係が大きく軋みましたが、個人的には今回の中国の本気度はその比ではないとみています。中国政府が国民を扇動すれば文化大革命の時の紅衛兵のごとく、あらゆる疑惑を「韓国色だ」と締め上げ、キムチを食べる人を半島の回し者と叫ぶ輩が出てきても全くおかしくない雰囲気を醸成させる可能性があります。その一番初めの餌食となったのがロッテで同社のウェブを攻撃し、使用できなくさせ、中国国内のロッテの事業に様々な妨害工作を始めています。

さて、この問題の行方です。切り口は3つあると思います。韓国、北朝鮮、アメリカです。

韓国ではあと10日程度で朴大統領の弾劾裁判の結果が出るとされます。韓国系のネット新聞を読む限り裁判官は全員弾劾賛成を投じるのが当たり前だ、ぐらいの論調で国民意識を扇動していますが、個人的には弾劾されないとみています。仮に朴大統領に違反や不適切な行為があったとしてもそれが弾劾する程かという判断が効力を示すからです。

つまり、この判断は通常のYES−NOではなく、不適切度の具合が一定レベルに達しているか、そこがポイントであります。よって、裁判官がポピュリストであったり、買収されていない限り、弾劾は厳しいのではないでしょうか?

仮にこの予想通りになると韓国世論は現政権への風当たりが一層強まるでしょう。同時に中国からの更なる陰険であからさまな嫌がらせが続き、韓国経済には強烈な打撃となり、市民生活に厳しい試練が待ち構えます。これは当然ながら与党や文在寅大統領候補の追い風となり国内の混乱は避けられません。これは言うまでもなく韓国世論が中国寄りで北朝鮮とも和平を取り持とうという発想に結びつき、日本、アメリカにとって強烈な打撃となります。

北朝鮮の切り口とは北朝鮮が内外で繰り返す挑発行為(内部とは金正恩氏の側近、ごく近い関係者への粛清)が一定の度を越えてしまうケースです。これはほぼ自虐的行為とも取れますが、トランプ大統領も呟いているように金正恩氏はきちがいか天才のどちらかだと感じますので常識では考えられない行動があってもおかしくないと考えています。

最後にアメリカの切り口とはトランプ大統領の堪忍袋が切れることでしょう。ご承知の通り、大統領はかなり大胆な行動を行い、一般常識をはるかに超える言動をしています。よって、韓国与論が左に傾き、韓国政権が弱体化し、国家運営がもたつくようならアメリカは何らかの対策を打って出るだろうとみています。それは韓国が東アジアの橋頭堡であることは万人が認めることであり、そこが崩されることはアメリカの敗北であってはならない事態であるからです。

では、日本はどうなのか、ですが今の社会政治システムからは積極的な介在者になり得ないはずで、アメリカと何らかの同調をするのが精いっぱいだろうと思います。但し、火の粉がとびかかってこないわけでもないわけでここは心しておく必要があるのではないかと考えております。

では今日はこのぐらいで。

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