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任天堂の法務が“最強”と呼ばれるワケ マリカー社提訴の舞台裏 - 「週刊文春」編集部

公道カートで大阪観光(2016年12月)

 東京や大阪の観光スポットを、人気キャラクターのコスチュームに身を包み、公道カートで走り抜ける集団。しかし、そんな光景は間もなく見られなくなるかもしれない。

 玩具大手「任天堂」は2月24日、公道カートツアー提供会社「マリカー」(東京都品川区)に対し、1000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。任天堂によると、マリカー社は任天堂の人気ゲーム「マリオカート」の愛称を社名やサービス名に使っている上、マリオやルイージなど人気キャラクターの衣装を利用者に貸与。これらは著作権侵害や、任天堂のブランドを不当に利用した不正競争行為に当たるとしている。

「任天堂の法務部門は“最強”と呼ばれています。相手の主張の欠点を調べ上げ、反撃する手法に長けている。実際は無敗ではないのですが、手際の鮮やかさも手伝い、最強というイメージが持たれています」(司法担当記者)

 古くは1982年、ゲーム「ドンキーコング」について、米映画会社が「キングコングの著作権侵害だ」と任天堂を米国で提訴。しかし任天堂の調査で、米映画会社がキングコングの版権を未取得だったことが判明。任天堂は「ブランドが傷つけられた」と反訴し、160万ドルの賠償を勝ち取った。

「ゲーム『テトリス』の販売権をめぐる米ゲーム会社との訴訟では、任天堂は米会社側が家庭用ゲーム機版の販売権を未取得であることを立証。米裁判所で米会社側への販売差し止め命令を勝ち取っています」(同前)

 このほか、超能力者を名乗るユリ・ゲラー氏から「ポケモンの登場キャラクターに自身のイメージを無断盗用された」と米裁判所に提訴された民事訴訟でも完勝している。

 マリカー社は「複数の弁護士、弁理士に相談し、法的問題はないと判断している」と反論した一方、「世界的企業との紛争の負担は想像すらできず、事業継続に影響が出ることを恐れている」と任天堂を相手にする動揺も見せた。

 知財問題に詳しい白坂一弁理士は「法的に見れば任天堂の主張は妥当。今後はマリカー社がライセンス料を支払うか、マリオなどの衣装を使わないことなどで和解できるかがポイントです」と話す。

 法廷というサーキットでカートが行き着く先はどこか。

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