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欧米の長期金利が低下基調になった要因

 24日にドイツの2年国債利回りはマイナス0.95%を付けて過去最低を記録した。この背景としてはECBによる国債買入がある。ECBが中銀預金金利を下回る利回りの国債を一段と買い入れのではないかとの観測もあった。

   

 ドイツ国債の利回り低下は、フランス大統領選挙などの行方を睨んだリスク回避の動きとの見方もできる。ただし、一時売られていたフランス国債もここにきて買われており、利回りが低下している。これはルペン・リスクをフランスの債券市場がどう捉えるかによって反応が異なる面もある。フランスのリスクとしてはフランス国債は売りかもしれないが、安全資産としてフランス国債が買われる側面もあろう。

   

 ドイツの2年債ではなく10年債の利回りの推移を見てみると1月26日に0.48%あたりまで上昇したが、それ以降は低下基調となっており、2月24日には0.18%に低下している。英国の10年債利回りも同様に1月26日に1.5%台をつけたあと低下しており、2月24日に1.07%まで低下していた。この利回り低下の背景には米国債の利回りの低下がある。ドイツや英国の国債利回りの動きは米国債の動きに連動することが多く、ドイツの国債利回りの低下の背景には米国債の利回りの低下も大きく影響していたとみられる。

  

 その米10年債利回りは12月半ばに2.6%近くまで上昇したあとは上昇ピッチにブレーキが掛かり、24日の米10年債利回りは2.3%あたりまで低下した。

  

 米国株式市場の代表的な指標であるダウ平均は25日も上昇し、1987年以来およそ30年ぶりに12日続けて過去最高値を更新した。この上昇の要因としては減税などのトランプ新政権の経済政策への期待があり、いわゆるトランプラリーと呼ばれる動きとなっている。

   

 米国大統領選挙前は1.8%近辺となっていた米10年債利回りは、トランプ氏の政策による景気や物価の影響も意識されてあっさりと2%台に乗せてきた。しかし、株価よりも早い12月半ばという時期にピークアウトしてしまった。12月半ばでピークアウトしたということは、米債はトランプラリーよりも、12月14日のFOMCでの利上げを意識していたとも言えそうである。

   

 それ以降の米10年債利回りの低迷は、イエレン議長などが追加利上げに前向きな姿勢を示しても、2017年の利上げもかなり慎重になるのではとの思惑が背景にありそうである。さらに3月のオランダの総選挙、4月と5月のフランスの大統領選挙を睨んでのリスク回避の動きが少なからずあったことも確かであろう。

   

 トランプ政権の経済政策に対する過剰な期待が債券市場では少し剥がれてきていることも、米10年債利回りが抑えられている要因とも言えるのではなかろうか。米10年債利回りの低迷がドイツの10年債利回りも抑制し、これらが米2年債利回りの過去最低更新の背景のひとつにあるとみられる。それでもなぜドイツの2年債利回りが過去最低を更新するまで買い進まれているのかはやや不明な部分もある。

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