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圧力に反発してこそメディア

週刊「世界と日本」平成29年2月6日号

アメリカのトランプ大統領が、就任1週間前の会見で、CNNの質問を受け付けないという態度を取った。それに対してはCNNの商売敵であるFOXもCNNを擁護し、トランプ氏を非難した。


自分の立場・地位・権力を利用して、他者の正当な権利を侵害することは、暴力にほかならない。しかし実際には、施政者がメディアに圧力をかけることは、いつの時代もどこの国でも起こること。そういうものだという前提で考えたほうがいい。


そういうものであるからこそ、メディア側は、そういう圧力をいつでも押し返せる姿勢で構えていなければいけない。施政者が圧力をかけてこようものなら、反射的に反応できなければいけない。「そっちがその気なら……」とばかりに、圧力をかけてきたこと自体を世間に伝えるべきなのだ。そんなときこそ、施政者が世間の目をそらそうとしているところにさらに世間の注目を集めるべきなのだ。


そういう意味で、メディアは“やんちゃ”でなければいけない。強い者からの押しつけに、「はい、わかりました」と従うようでは務まらない。それでこそ、政治とそれを監視するメディアの力関係が保たれる。


「国境なき記者団」の2016年度発表によれば、日本の報道の自由度は対象180カ国中72位とのこと。2010年度には11位であったから、この6年間で「凋落した」といえる。学校で先生の言うことをよく聞いて、“優等生”を続けてきた“エリート”がメディアを作っているのであればそうなるのも道理である。


かわりに今メディアは、叩きやすい者を徹底的に叩くことに躍起になっている。自分より強い者から抑圧された弱者が、さらに自分よりも弱い者を利用してストレスを発散する構図に似ている。


日本のメディアには、“やんちゃ”だけど弱い者いじめはしない“腕白坊主”が必要だ。

※週刊「世界と日本」(内外ニュース発行)平成29年2月6日号に寄稿した記事を転載しました。

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