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ウォルマートのデジタルが好調、アマゾンからの「称号奪還」に前進

米小売大手のウォルマートが、オンライン売上の伸び率でアマゾンを上回った。ウォルマートによれば、2016年第4四半期(10~12月期)の売上高の伸び率は前期比29%。対するアマゾンは22%だった。

このニュースは驚きだ。というのも、このところのニュースでは、著名投資家のウォーレン・バフェットが手持ちのウォルマート株の90%を売却して航空会社に投資を行ったため「ウォルマートは死んだも同然」と報じられていたからだ。

ウォルマートはアメリカのオンライン市場での売上において、アマゾンに次ぐ2位につけているが、両社の業績はかけ離れている。ウォルマートの2015年のオンライン売上高は137億ドル(約1兆5000億円)。一方のアマゾンは1,070億ドル(約12兆円)。ウォルマートはデジタル事業において大規模な変革を進めているが、その努力が実って好業績につながるまでには、まだ時間がかかりそうだ。

2016年、ウォルマートはネット通販のジェット・ドットコム(Jet.com)を約30億ドル(約3390億円)で買収。ジェットの創業者マーク・ロア(現在はウォルマートの米国eコマース事業担当CEO)はその後すぐに、配送料や市場拡大などの諸問題への対処を始め、会員プログラムの改良に着手した。

モバイル小売プラットフォーム、ニューストア(NewStore)のスティーブン・スカンバックCEOは、次のように指摘する。「アマゾンは、ウォルマート自身が達成する前に『ネット界のウォルマート』になった。だがジェット・ドットコムの買収以降、ウォルマートがその称号奪還への道をたどっているように見える」

「大規模に展開している実店舗とジェット・ドットコムのようなeコマースの新興企業が手を組むことで、双方の企業が競争に有利な条件を手にした」と、スカンバックは言う。ウォルマートでは2016年のクリスマスシーズン中、オンラインで購入し店内で受け取るスタイルの購入が前年比で27%増えた。

ウォルマートが勢いを増しつつあることを受けて、アマゾンでは先ごろ、配送料が無料になる最低購入金額をこれまでの49ドル(約5500円)から35ドル(約4000円)に引き下げた。ウォルマートは1月に、同金額を35ドルに引き下げている。

アメリカ国内におけるアマゾンのプライム会員の数は、(同社は公表していないものの)6600万人にも達すると推定されている。この6600万人は、極めて望ましい顧客層だ。国内で最も高収入の部類に入る世帯であるうえ、会費を支払っているため忠誠心も強い。

だがウォルマートも、デジタル部門への投資では他社にかなり後れをとったとはいえ、今では投資ペースも加速。2月15日にはアウトドア用品のムースジョー(Moosejaw)を買収するなど、ユニークな企業の買収も行っている。

「このところ社内では、かなりの数の実験的取り組みが進められており、我々は以前よりも早いペースで多くのことを学んでいる」と、ウォルマートのダグ・マクミロンは投資家向け電話会議で語った。

編集=森美歩

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