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主張/エンゲル係数上昇/国民生活の悪化放置できない

 国民の消費支出のうち食費の占める割合を示す「エンゲル係数」というのは国民の暮らしぶりを示す最もよく知られた経済指標の一つです。そのエンゲル係数が安倍晋三政権になって、2013年から16年まで4年連続上昇、歴史的に見ても1980年代末以来約30年ぶりの高水準となったことが明らかになりました。全体として消費が落ち込む中で食費が増える一方、衣料費などは落ち込んでおり、国民の暮らしがゆとりをなくしていることを浮き彫りにしています。間違った「アベノミクス」(安倍首相の経済政策)が国民に有害なことは明らかです。

消費低迷で衣服など減少

 エンゲル係数は一般的に数値が高いほど生活に余裕がなく、生活が貧しいと受け取られており、発展途上国などではエンゲル係数の高さが大きな社会問題になっています。日本では経済成長とともに、長期的には低下が続いてきており、安倍政権になって4年連続上昇をしているなどというのは全くの異常事態です。

 総務省がこのほど発表した16年の家計調査報告の年報(速報)によると、消費支出全体も名目で1・8%、消費者物価の上昇を差し引いた実質で1・7%のそれぞれ下落となっており、消費の停滞は明らかです。消費支出全体として名目の落ち込みは2年連続、実質の落ち込みは3年連続で、安倍政権のもとで国民の生活悪化が続いている証明です。

 消費支出の内訳をみてみると、食費は名目1・5%の増加、実質は0・2%の減少となっているものの、住居費は名目7・0%、実質7・4%のそれぞれ減少、被服及び履物も名目4・3%、実質6・0%の減少となっているなど、光熱・水道、家具・家事用品、交通・通信、教養娯楽などを含め、軒並み支出減となっています。着るものや娯楽も我慢して、食費を賄っている姿が明らかです。

 この結果、消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は15年よりさらに0・8%悪化して25・8%、1987年以来29年ぶりの高水準となりました。全世帯のうちサラリーマンなど勤労者世帯で見ると、エンゲル係数は2013年の22・1%以来、14年22・3%、15年23・6%、16年24・2%と上がり続けています。

 世帯数を収入金額で5等分した五分位階級で見ると、エンゲル係数は収入が少ないほど高く(第I階級27・2%、第V階級21・7%)、昨年、一昨年は最も収入が多い第V階級を除く、すべての階級でエンゲル係数が上昇しています。最も収入の少ない第I階級では支出の4分の1以上を食費に回さなければならない実態で、文字通り食うことに追われる家計の苦しいやりくりを感じさせます。

収入増やし物価も抑えて

 消費の低迷は収入が伸び悩んでいることの影響が大きく、勤労者世帯の場合、昨年の実収入の伸びはわずか名目0・2%とほぼ横ばいです。その中でも被服費や教養娯楽費などを削って食費を確保しなければ生活していけず、安倍政権になってからの「円安」による輸入食料品価格の上昇や消費税増税が国民の暮らしをストレートに直撃しています。

 大企業のため込みを抑え労働者の賃金を引き上げ、物価上昇や消費税増税の中止が急務です。

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