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2021年「アップル超え」狙う中国ファーウェイ AIスマホ開発に全力

John Kang ,FORBES STAFF

大手スマホメーカーにとって、2017年の最大のテーマは人工知能(AI)だ。韓国LGは最新スマホ「G6」にグーグルアシスタントを採用する可能性が高く、サムスンは「Galaxy S8」に独自AIアシスタントを搭載する予定だ。また、ファーウェイの「Mate 9」は、スマホとして初めてアマゾンのAlexaに対応している。

最近では、中国メーカーの幹部たちがAI搭載スマホについて積極的に発言をしているが、次世代端末のスペックをリリース前に公開するのは異例のことだ。

人工知能搭載の「スーパーフォン」を開発

現在、世界のスマホ市場で3位のファーウェイは、2021年にサムスンとアップルを追い抜くことを目標に掲げている。ファーウェイのコンシューマ向け端末事業グループで戦略マーケティング担当プレジデントを務めるシャオ・ヤンは、AIで機能を強化した「スーパーフォン」を2020年までに開発すると述べている。同社が、世界首位を奪取する上でAI搭載スマホが鍵になることは間違いない。これまで、ファーウェイのAIに対する取組みはベールに包まれていたが、Mate 9のリリースによってその内容がついに明らかになった。

ファーウェイが1月に米国でリリースしたフラッグシップモデル「Mate 9」には、機械学習機能とAIアシスタントが実装されている。

「Mate 9は、機械学習アルゴリズムによって長期間使用しても高速でスムーズなパフォーマンスを実現した」とヤンは話す。Mate 9は、ユーザーの使用頻度が高いアプリを学習し、CPUリソースを優先的に割り当てている。「これはMate 9の中核となる機能だ」と調査会社Canalysのアナリストであるベン・スタントンもこの技術を高く評価する。

また、Mate 9はアマゾンのAI音声アシスタント「Alexa」にスマホとして初めて対応しており、ユーザーは音声コマンドで最新のニュースを確認したり、スマートホーム家電を操作することができる。ファーウェイは、アマゾンとの提携において競合他社にはない強みがあるとスタントンは指摘する。

「ファーウェイがアマゾンと提携できるのは、両社がサービス面でコンフリクトしていないからだ。AlexaがMate 9のユーザーにアマゾンプライムのサービスを勧めても、ファーウェイには競合するサービスがないので問題にならない。しかし、アップルとグーグルが相手だとそうはいかない」とスタントンは言う。

テンセントとの連携も視野に

ファーウェイはこれまで通信事業者と連携し、機械学習技術を活用して顧客の解約率低減やネットワーク制御に取り組んできた。「我々はディープラーニングと機械翻訳の分野で大きな成果をあげることができた」とシャオは胸を張る。Mate 9には、センサーアルゴリズムやコンピュータビジョン、検索エンジン、自然言語理解で画期的な技術が搭載されている。

飛躍的な進歩を遂げたとはいえ、ファーウェイにとってAI開発の道のりはまだ長い。「ファーウェイの取組みはまだ始まったばかりだ」とIDCのシニアアナリストであるXiaohan Tayは話す。アルゴリズムの精度を向上させるには大量のデータを蓄積することが必要だが、ハードウェア企業であるファーウェイにはこの点が不足している。弱点を補う上で、中国で最も普及しているメッセージアプリ「WeChat」を運営するテンセントと提携するのが望ましいとTayは指摘する。

それでも、ファーウェイはAI開発競争においてライバルのOppoやシャオミよりも有利な立場にある。それは、ファーウェイがR&D投資額で他社を圧倒しているからだ。「イノベーションはマラソンのようなものだ。我々は毎年、最低でも売上高の10%をR&D投資に割り当てている」とヤンは言う。彼によると、ファーウェイは過去10年間で380億ドル(約4.3兆円)をR&Dに費やしてきたという。Oppoやシャオミには、この規模での投資は困難だ。

しかし、そのファーウェイをもはるかに凌ぐのが、現在首位のサムスンだ。両社の2015年のR&D投資額を比較すると、ファーウェイが92億ドル(約1兆円)だったのに対し、サムスンは141億ドル(約1.6兆円)だった。経営コンサルティング会社のStrategy&によると、サムスンのR&D投資額は、世界のテクノロジー企業の中でも最大だという。中国メーカーの中では一歩抜きん出ているファーウェイだが、サムスンに追いつくのは容易ではない。

編集=上田裕資

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