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【ドル高と米製造業崇拝】

為替と製造業。日本はもちろん、中国、ドイツ、それにアメリカでも重要なテーマですね。

FRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長が14日と15日に上下両院で議会証言
Wall Street Journal は、Yellen Says Fed Will Consider Raising Rates at Coming Meetings(イエレン議長、今後の会合で利上げを検討)の中で、来月=3月にも政策金利を引き上げる可能性があると伝えています。次の公開市場委員会は3月14日、15日です。

これを受けてドル高が進みました。けさ起きたら1ドル=114円台。

そのドル高で困るのがアメリカの製造業で、きのうご紹介したように国家経済会議のコーン委員長(元ゴールドマン・サックス社長)がアメリカの経済拡大の妨げとして心配しているのがドル高

これに対して、FTはトランプ政権の過度な製造業重視は、時代遅れでむしろアメリカ経済を悪化させかねないと指摘しています。

タイトルは、Donald Trump’s love of manufacturing is misguided – All the big industrial economies have chosen to internationalize their supply chains (トランプ氏の製造業愛は誤り~大手メーカーはサプライチェインの国際化を選択済み)。

書き出しは、「トランプ大統領と経済チームは製造業を愛している(Donald Trump and his economic team love manufacturing)製造業愛経済ナショナリズムは、トランプ大統領の演説、バノン首席戦略官の発言、それに通商アドバイザーのナバロ氏のドイツ攻撃から読み取れるとしています。

輸出は善。でも輸入は悪というのがトランプ政権の姿勢」として、この20~30年(past few generations) 、製造業が得意なのは3つの国で、ドイツ、日本、それに中国だと指摘。その結果、日中独の3か国が貿易黒字を抱えているのは偶然ではないとしています。

トランプ政権の製造業愛ドイツ羨望とも言えるとFTは伝えています。

「貿易では、黒字の国があれば、赤字の国もある」とした上で、「トランプ政権のもとでは貿易はゼロサムゲームで、ドイツをうらやましがり、ドイツに対するコンプレックスを背景に、サプライチェインを国内に戻し、輸入を制限し、製造業を喚起するのは理にかなっていることになる」ということです。

一方、製造崇拝をmanufacturing fetishism、工場崇拝をfactory fetishism(工場崇拝)と呼び、これらはファンタジーだと指摘。

その第一の理由として介護などサービス業の成長が経済拡大の原動力なのに製造業マッチョ(manufacturing machismo)にこだわることは、雇用を増やすことにならないとしています。

第二の理由として、通商云々に関わらず、オートメーション進展の結果、製造業の雇用はどこでも減っている、としています。ドイツしかり、日本しかり、そしてアメリカしかり

1970年代初頭のような製造業の復活を目指して、NAFTA=北米自由貿易協定の見直し国境税の導入は、アメリカ国内の自動車の価格上昇につながるといいます。

トランプ政権の保護主義的な政策は、輸入も輸出も縮小させ、保護された経済はいっそう悪くなると警鐘を鳴らしています。

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