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現実を正見できない黒田総裁が一蹴した「シムズ理論」

「各国中銀総裁の認識も、物価水準の決定に金融政策が非常に重要な要素だということで変わりなかった」(15日付日本経済新聞「日銀総裁、効果は疑問視」)

全く意味不明で記事にする価値もない発言。

そもそも物価安定という責務を担っている中央銀行総裁が「物価水準の決定に金融政策が非常に重要な要素だ」と発言するのは当たり前のこと。

「ハンマーを持つ人には、全てが釘に見える」(マーフィーの法則 ~ バルックの考察)

「日銀の黒田東彦総裁は14日の衆院予算委で、物価は財政拡大で押し上げることができるという『シムズ理論』を『色々な前提を置かないと出てこない話』と一蹴した」(同)

黒田総裁の「様々な前提を置かなければ財政拡大で物価を押し上げることはできない」という主張が正しいとしても、それが「金融政策で物価を押し上げることができる」ことの証明にはならない。

もし「物価水準の決定に金融政策が非常に重要な要素」であると考えているのであれば、4年近く「異次元の金融緩和」を続けている日本の消費者物価が10カ月連続のマイナスとなっている現実を論理的に解明して有効な手を打つべきである。

何とかの一つ覚えのように「原油価格の下落が…」と繰り返しているが、同じ条件下で米国の消費者物価指数は前年同月比プラス2.1%、EUの消費者物価指数は前年同月比プラス1.8%となっている。

日本の消費者物価が10か月連続のマイナスになっているという現実は、黒田総裁が示してきた「様々な前提」が間違っていることを示している。

「物価水準の決定に金融政策が非常に重要な要素だ」というのが各国中銀総裁の共通認識だとしたら、各国の中銀総裁の目には日本経済の現状は相当奇異に、そしてさぞかし日本の中銀総裁が無能に映っていることだろう。

「経済専門家にとっては、現実世界は特殊ケースである」(マーフィーの法則 ~ ホーングレンの考察)

「同理論(シムズ理論)が世界の中銀の主流と離れていると強調した」(同日本経済新聞)

日本経済にとって問題なのは、中銀の主流と「シムズ理論」がかけ離れていることではなく、現実と日銀総裁の考えがかけ離れていることだ。

政府と日銀が、現実の前にもっと謙虚にならない限り、財政の拡大でも、金融政策でも物価水準を安定させることは難しそうだ。

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