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「マインドフルネスによって“正しく休む”ことが生産性を高める」精神科医・久賀谷亮氏インタビュー

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「休んでるはずなのに疲れが取れない…」「集中力が持続せず、すぐ疲れてしまう…」。こうした悩みはどうすれば解決するのだろうか。

近年、脳に関する研究が進んだ結果、アメリカを中心にマインドフルネスというメソッドが注目を集めつつある。マインドフルネスの概念や実践する際の注意点を、「世界のエリートがやっている 最高の休息法」の著者で精神科医の久賀谷亮氏に聞いた。【取材・執筆:永田 正行(BLOGOS編集部)】

脳を休息させるためのシンプルなメソッド

BLOGOS編集部

―現在、「マインドフルネス」という言葉はバズワードになっていて、「聞いたことはあるけど、実際にはどういうものなんだろう」と感じている方も多いと思います。具体的には一体どのようなものなのでしょうか。

起源は仏教にあるのですが、そこから宗教性と複雑さを除いたシンプルな脳を休息させるためのメソッドです。

ずいぶんと前のことになりますが、誰かが「小川に木の葉が流れて、それを自分が河辺でみている。自分の考えが木の葉の上にのっていて、上流から下流へと流れていくのを眺めている状態がマインドフルネスです」と説明しているのも聞いたことがあります。

当時はどういうことなのかわかりませんでした。しかし、今はマインドフルネスの概念を表現していることが理解できます。マインドフルネスを、あえて一言でいうならば、「明確なやり方で注意を向ける方法」だと言えるでしょう。

―アメリカでは様々な企業がマインドフルネスを導入しているそうですね。

2015年までのデータでは、アメリカの企業のおよそ22%程度が導入していると言われています。さらに、今年のうちに大体44%つまり2倍になるという予想もあります。また、学校という組織でも積極的に導入されていて、ニューヨークでは8000校と言われていますし、全米では何万という単位の学校が取り入れています。

アメリカでは、自撮りを意味する「セルフィー」という造語と並ぶぐらい非常にポピュラーなバズワードとなっています。

―マインドフルネスのひとつの形態として瞑想があります。「瞑想」と聞くと、オカルトチックなものを感じてしまう人も多いと思うのですが。

確かに、そうした印象を持つ人も多いと思います。しかし、そうした「オカルト」「スピリチュアル」といった認識は、様々な科学的なデータが出てきたことによって変わりつつあります。

また、先ほど指摘したように、マインドフルネスは定義の段階で、宗教的な部分を除いています。つまり、仏教に起源はあるのですが、その中からシンプルなエッセンスだけをメソッドとして利用しています。そうすることで、オカルト的な要素はなくなったと言えるでしょう。

マインドフルネスによって脳は“変化”する

―マインドフルネスを取り入れることによって、実際に脳が変化することが、研究によって実証されつつあるわけですね。

本書の中で詳しく解説していますが、脳が変化することを、「脳の可塑性」と言います。マインドフルネスによって、神経栄養因子的な物質が発生することや神経の連結、脳の容積も変化することがわかってきています。

極端な例になりますが、例えば脳梗塞になると、ある部分の脳の細胞が死にます。しかし、死んだ細胞の周辺の細胞が、それまで以上の働きをして機能を補うということがある。死んだ細胞は生き返りませんが、脳の機能としては、ある程度修復できるわけです。また、神経細胞は大人になってもまた生まれ出て来るということがわかっています。こうした研究は、1990年代から、ここ20年で大幅に進展しました。

―脳が変化することが明らかになったことで、マインドフルネスという疲れにくい脳へと変化させるメソッドが生まれてきたわけですね。

そうですね。例えば、脳は体重の2%ほどの大きさしかありませんが、身体が消費するエネルギーの20%を使っていると言われています。しかし、消費するエネルギーのうち60~80%が、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる回路に使われているのです。このDMNは、何のタスクをしていない、脳をアクティブな使い方をしていない時も、車のアイドリングのように常に動いている回路なのです。

そもそも脳自体が、エネルギーを高く消費する臓器なのですが、消費エネルギーの大部分を使用する回路を使いすぎると疲れてしまいます。アイドリングは確かに必要なのですが、やり過ぎると無駄にエネルギーを使用することになってしまう。しかし、マインドフルネスによって、動いてもいないのにエネルギーを消費するような回路の動きを弱めることができるのです。

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