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財産の置き場所で一番安全なのは?

 先週木曜日、そして週末のセミナーでもふれたが、これから10年ないし15年の間には、世界の金融マーケット全体が相当な激震に襲われよう。

 2008年9月のリーマンショックで弾けた世界の金融バブルだが、その後始末は遅々としている。 とはいえ、後始末は後始末で、それがどのような展開となっていくのか、今のうちから念頭に置いておいた方がいい。

 米国の大手銀行は米政府やFRBの強力な指導もあり、いち早く不良債権処理を終えた。 そうはいうものの、景気の足取りはそれほど強くなく、金利正常化をもくろんだ出口戦略はきわめて慎重に進められている。

 一方、ヨーロッパの銀行はまだほとんど手つかずの状態に近い。 それが、マイナス金利の導入となったりとかで、まだモタモタが続いている。

 そんな中、金融バブルの膨張を下支えしてきた要因の一つ、世界の年金マネーが縮小に転じているのは要注意である。 年金の制度が整備されているのは、ほとんどが先進国であり、どこも高齢化の問題にに直面している。

 事実、先進国の年金は5~7年前から積立てよりも給付の方が多い、キャッシュアウトの段階に突入している。 日本の公的年金は2009年から縮小に転じている。

 これは看過できない現象である。 年金マネーが縮小に転じていけば、これまで買い一方だった債券市場においても、徐々に売り圧迫要因となっていくのは避けようがない。

 それでなくても米国の出口戦略で、長期金利は上昇の気配を見せている。 おそらく、そう遠くない先に債券市場が崩れを見せ始めるのだろう。

 すぐさま国債の暴落とまではいかなくとも、長期金利が上昇し債券市場も崩れはじめると、世界の金融機関に大きなしわ寄せが及んでいく。

 政策金利は政府や中央銀行が、力ずくで抑えることもできる。 しかし、債券売りが誘引する市場金利の上昇は誰も止められない。 むしろ、債券の売りが売りを呼んで、長期金利はどんどん上昇していく。

 そのような修羅場が襲っていくるや、人々は財産の置き場所で右往左往することになる。 銀行預金をはじめとして、債券やら多くの金融商品は元本安全どころか、はたして現金化できるのかさえも不透明になってしまう。

 その横で、昨年を通じて米国株は史上最高値をじりじりと更新し続けている。 これは、債券から株式への歴史的な資金シフトが静かに進んでいる証左であろう。

 将来どこかで金融マーケットが大荒れしたところで、それを乗り切っていくであろう企業の株式を買っておけば、財産の置き場所として一番安全である。

 たとえ、長期金利の急上昇で株価が瞬間暴落したところで、そういった企業のビジネスが消滅するわけではない。 一時の株価暴落をみた後、V字型の株価の戻りも十分に期待できる。

 われわれ長期投資家と、その他の人達の財産づくりとでは、ものすごい差がついてしまうに違いない。

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