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小池都知事、ブレーン・直系都議と意見相違か――豊洲移転、都議選の争点へ

1月14日の専門家会議。正面に平田健正座長。小島敏郎顧問(左上で腕を組む男性)もオブザーバーとして同席。(撮影/横田一)

1月14日の専門家会議。正面に平田健正座長。小島敏郎顧問(左上で腕を組む男性)もオブザーバーとして同席。(撮影/横田一)

「基準値79倍のベンゼン」「猛毒シアン検出」という第9回地下水モニタリング結果が専門家会議で公表された1月14日、小池百合子東京都知事は第4回「希望の塾」挨拶後の囲み取材で、築地市場の豊洲移転問題を都議選の争点にする考えを明らかにした。

「一度は都議会も認められた案件ですが、都議選の争点の一つになっていくのか」という質問に小池知事はこう強調した。

「これまでの(豊洲移転の)流れに関わってこられたのも都議会。争点になることも避けられないのではないか」

翌15日の第1回都議選選考委員会にも出席した小池知事は、より踏み込んだ言い方をした。

「豊洲(移転問題)は都議会でどれだけ審議が行なわれてきたのかも改めて見直す必要があろうかと思います。今後の豊洲のあり方は一つの大きな争点になるべきだと思います」

今回の結果について14日の囲み取材で「築地再整備存続の可能性が高まったと考えていいのか」と聞くと、小池知事はこう答えた。「いずれにしましても今日の結果を受けて専門家の方に議論をしていただいて、それを参考にさせていただきたいと思っています」

築地存続を選択肢として残しているという回答だが、今回の結果が出てもなお早期豊洲移転を求める声は少なくない。築地市場協会の伊藤康裕協会長は14日の専門家会議を途中退席をした後の囲み取材で、こう訴えた。

「先生方が今日はっきり言っているように、地上部分はまったく問題なく、綺麗だ。地下水は飲むわけではないし、魚を泳がしているわけでもない」「移転先として不適切だとは考えない」と強調。「知事が年度内に判断することを求める」という従来の主張を繰り返した。

同じ考えなのが橋下徹・大阪前市長だ。ツイッターで「飲むわけではなく、使うわけでもない地下水に環境基準を設定したことが全ての混乱の原因」などと連続発信。地下水モニタリングの結果に左右されるべきではないと主張した。

橋下氏が大阪府知事時代と市長時代にブレーンをしていた東京都特別顧問の上山信一・慶應大学教授も「豊洲新市場が出来てしまったから当然豊洲移転」との立場だという。知事側近の音喜多駿都議はこう話す。「私も豊洲移転止む無しと考えていますが、市場問題プロジェクトチーム座長の小島敏郎顧問(青山学院大学教授)は『築地存続可能』という立場です」。

すでに小池知事は都議選で候補者擁立を表明、15日には第1回選考委員会が開かれて小島氏と上山氏らを含む顧問も出席しているが、争点の豊洲移転問題について意見統一がなされていないのだ。

【都が石原元知事訴えに対応】

20日の知事定例会見では、豊洲移転問題の立場に影響を与える住民訴訟の方針変更の発表もあった。2012年5月24日付で東京地方裁判所に訴状が提出された住民訴訟は、600億円を超える土壌汚染対策費が必要な土地購入をした石原慎太郎元都知事の責任を問うもの。原告の住民は11年3月の東京都と東京瓦斯(株)および東京ガス豊洲開発(株)との間の売買契約に関し、「東京都は石原慎太郎元都知事に対し、約578億円を請求せよ」と被告の東京都に求めてきたが、都は「元知事の責任はない」と主張。ところが、一転して都は訴訟対応特別チームを編成し、豊洲の土地購入の事実関係を明らかにし、住民訴訟への対応を、改めて検討するというのだ。

理由は、(1)住民訴訟では、石原元都知事売買契約における責任が問われている、(2)用地選定、土地購入契約の経過が不透明であり、かつ、不適正ではないかとの疑惑が多く指摘されている、(3)その事実関係、それをもたらした責任を明らかにすることは、都政を改革することにもつながる、ということをあげた。

事実関係の解明に都が全面協力、石原元都知事の損害賠償責任の有無を明らかにするということだ。今後の展開が注目される。

(横田一・ジャーナリスト、1月27日号)

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