記事

トランプ大統領は、明らかな矛盾をどう解決するのか?

トランプ米大統領が就任して数日がたった。大統領選挙中の過激で攻撃的、ときに自分を美化するがごとき発言はさまざまな物議をかもした。とはいえ就任後は変わるのでは、という一縷の望みも期待はずれのようだ。

前回もトランプ新大統領について語った。ただ、今回も物申さずにはいられない。大統領就任後もトランプ氏はまったく変わることがなかった。彼は大統領令に続々とサインした。その数はなんと12にのぼる。内容は、たとえばイスラム過激派の入国を防ぐための入国審査の厳格化。メキシコ国境の壁の建設など。そして、なによりも見逃せないのが、「TPP離脱」だろう。

TPPの離脱について、今後は日本とアメリカの二国間交渉で進めるのではないか、という見方もある。いずれにしても、基本的にトランプ氏は、「アメリカン・ファースト」を旗印に国内企業を守る、つまり保護主義を掲げていくのだろう。具体的には、自動車産業や農業など、製造業を守っていこうとしているのだ。

トランプ大統領の念頭には、ミシガン州、オハイオ州、ペンシルベニア州がある。そこは「ラスト(rust=さびた)ベルト」と呼ばれる地域だ。このエリアは、かつて自動車、鉄鋼、石炭で栄えたが、いま衰退の一歩をたどっている。こうした国内産業の衰退を止めよう、という狙いがあるのだろう。

しかし、いまのアメリカは金融やIT系の企業がグローバルに利益を得て、グローバル企業に成長しているのだ。製造業は保護主義でいくとして、では、グローバルに活躍している、たとえばグーグル、アマゾンなどの企業は、どうするのか。トランプ政権が矛盾だらけなのは、すでに明らかなのだ。

先日、僕が司会をする「朝まで生テレビ!」で、トランプ大統領について徹底的に議論した。「トランプ政権の矛盾」が浮き彫りになったと僕は感じている。アマゾンが新たに「10万人雇用」を発表している。だが、雇用問題について堀江貴文さんは、「AIが発達したら雇用はいずれ減少する。たとえばアマゾンは仕分はロボット、配達はドローンと、どんどん無人化が進むだろう。だから、先を見据えて転職できるように、社員に研修を受けさせている」と語っている。

AIについては、僕も取材している。たしかにオクスフォード大学の研究では、今後10年から15年で雇用の半数近くがなくなるだろう、ということだ。そのときにトランプ政権はどうするのか、「AI」や「ロボット」を禁止するのか。そんなことは不可能だ。

国民の人気を得るためには、自動車、鉄鋼、農業といった産業を保護主義で守るといわねばならなかったのだろう。しかし、本当に必要なのは、「守る」ことではない。「AI」ではできないような新しい産業を創出させ、そこに雇用を生み出すことだ。

若者たちによって、ベンチャーがどんどん生まれる国。本来のアメリカは、そんな国であったはずだ。そこにこそアメリカン・ドリームはあると思う。その矛盾を、トランプはどう解決するのだろうか。

あわせて読みたい

「ドナルド・トランプ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    「安倍ヤメロ」を煽る朝日新聞

    深沢明人

  2. 2

    宮崎勤死刑囚から処刑直前の手紙

    篠田博之

  3. 3

    性暴行訴える詩織さん 手記出版

    文春オンライン

  4. 4

    小池氏にとどめ 進次郎氏の正論

    新潮社フォーサイト

  5. 5

    イシグロ氏へ勲章は国の恥さらし

    清谷信一

  6. 6

    よしのり氏「1に立憲、2に共産」

    小林よしのり

  7. 7

    堀江氏「保育士は誰でもできる」

    キャリコネニュース

  8. 8

    安倍ヤメロ隊阻止する最強応援団

    NEWSポストセブン

  9. 9

    ハゲに不倫…お騒がせ議員当落は

    田野幸伸

  10. 10

    橋下氏「公約は事後評価が重要」

    橋下徹

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。