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働かない人々こそが経済を救う未来がやってきた

ソフトウェア・エンジニアから見た「機械化やAIによって豊かになった人間社会」のあるべき姿という記事。先日爆誕したトランプ大統領を受けて書かれた記事なのだが、トランプ台頭の背景に情報通信革命でメリットを得られなかった人たちの苦しみがあるという指摘はまったくそのとおりであると思う。

そして目指すべきはベーシックインカムなどで彼らに再分配を行いながらさらなる生産性向上を達成すること、というのも同意である。

実をいうとこの懸念はずいぶん前から持っていた。

優秀でなければ仕事が無い時代の幕開け

優秀な企業は優秀さを保つために優秀な社員しか雇わない。そこからこぼれ落ちた人々はベーシックインカムなりなんなりで収入を持ってもらわねば、優秀な企業も利益を挙げられなくなっていく。

経済学的には馬鹿馬鹿しい話だと言われることもある。効率化が進んで一つの業種が雇える人数が減れば、他の業種が生まれて余剰人員を吸収するというわけだ。そうだろうか?

昔ならそうかもしれない。だがこぼれ落ちたのは「優秀でない人々」だ。彼らを雇用する企業がいなくなるという問題なのだ。

優秀でない人々から成り立つ企業が優秀であるはずもない。彼らをまとめ上げるべき優秀な人々は優秀な企業に取られていく。そして優秀でない企業は優秀な企業に駆逐されるのである。

そうして消費者を失った企業も売上を失うわけだ。

そこでベーシックインカムというアイデアが浮上するのは不思議でもなんでもない。頭のいい人たちがそれくらいのこと考えないわけがない。

こうしてできた「優秀でない人々」には大きな余暇ができる。すでにエンターテイメント産業はユーザーの時間の奪い合いだ。漫画、アニメ、ゲーム、様々な分野の娯楽産業が悲鳴を上げている。アニメーターの低賃金を憂う前にアニメの制作費が回収(リクープ)できる率が5%程度なのをどうにかすべきだ。

そのためには消費者の時間が足りないのである。だってアニメもゲームもいっぱいあって見きれないし遊びきれないし。長時間労働とかしてる場合じゃないですよ?

消費者に消費する時間を作ってもらうためには、仕事をやめてもらってお金だけ渡すのが手っ取り早い。そうしてできる労働者層とは別の「消費者層」とでもいうべき人々が、娯楽産業を支え、ひいては国や世界の経済を救っていくのである。

トランプ大統領は彼らに工場労働を取り戻そうとしているが、おそらくうまくはいかないだろう。結局は内陸部などに工場を作らず、効率的な経営をする企業に駆逐されるからだ。

しかしアメリカの失業率はわずか4.9%なのである。日本は3.1%だ。彼らに仕事がないわけではない。ただ賃金も安く、誇りの持てる仕事ではないだけだ。そう、スターバックスに難民より国民を雇用しろと言い出すくらいには。

ならば賃金の問題はベーシックインカムのようにばらまいてもいいが、彼らの所得に応じて最低ラインを国から援助すればいい。ようは確定申告時に所得が基準に満たなければそのまま基準との差額を受け取れるようにすればいい。負の所得税と呼ばれる方式だが、名前があまりいい印象を与えないので「広義のベーシックインカム」くらいに思ってもらえればいい。

おそらく悪用を試みる不届き者も出てくるだろうが、それはそれでいい。そこは市場原理に任せておけばどうとでもなるだろうし、いずれ彼らは一切の労働から解放された「消費者層」になる。その過渡期の問題なのだ。何より問題が起きる前に考えたことはだいたい役に立たない。問題への対策は起きてから考えたほうがいいのである。

任天堂 トランプ ナップ 818 赤
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誇りの問題はおそらくゲームが解決してくれる。

「ニートゲー」が幸福増大を実現する

彼らが誇りを持ってプレイできるゲームはきっと生まれるだろう。

こうした方式はたとえばアニメや舞台など基本的に赤字しかでない文化的ビジネスの存続性にも寄与する。ヒットすればもっと儲かるし、赤字になっても損をするのは投資家だけで済むわけだ。

最終的に我々は10%程度の「とても優秀な人々」だけが働く社会を手に入れるだろう。9割の人々が生産をしない消費者層として生きることになる。それで十分なほどの生産効率を手に入れたとき、また次の破壊が始まる。人類史が進むべき道は、そういうサイクルなのである。

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