記事

大統領令に対抗のスタバCEOが貫く「意識の高い資本主義」の標榜

Barbara Thau ,CONTRIBUTOR

大手コーヒーチェーン、スターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)にとって、従業員の大学進学を支援することや退役軍人を雇用することは、自社ブランドにとっての不可欠な要素の一つだ。そのシュルツが再び、「意識の高い資本主義」とは何かを示す行動に出た。

シュルツは1月29日、ドナルド・トランプ大統領がイスラム教徒が多くを占める国の市民の米国への入国を事実上禁止する大統領令に署名したことを受け、自社が運営する世界75か国の店舗で向こう5年間に難民1万人を雇用する計画を発表したのだ。世界には現在、難民が6500万人いるとされ、米国への入国が禁止される国の人たちの中にも、難民や戦闘地域から逃れてきた人たちが含まれる。

シュルツは自社ウェブサイト上で明らかにしたこの決定に関連して、次のように述べている。

「私たちは、米国の良心やアメリカン・ドリームの約束に疑問が呈されるという過去に例がない時代を生きている」

「先行きの見えないこうした時代が必要とするのは、これまでとは異なる新たな対策と、コミュニケーションの方法だ」

社会活動家CEO


シュルツが率いてきたスターバックスは長年にわたり、自社の事業といわゆる「倫理的な小売業」(または「意識の高い資本主義」)は相関関係にあるものだと捉えてきた。そしてシュルツは、「社会活動家CEO」ともいえる独自の立場を築いてきた。慈善活動に熱心な姿勢の背景にニューヨーク・ブルックリンの低所得の家庭に育った自らの生い立ちがあることは、シュルツ自身が過去に繰り返し述べている。

スターバックスが方針として掲げるパートタイムも含めた従業員への医療保険の提供や失業対策・反人種差別への支援も、こうしたシュルツの考え方に基づくものだ。今年4月にCEOを退任して会長職に退いた後も、同社の成長戦略のほか、社会的影響を及ぼす事柄に対する同社の取り組みを主導していく考えだ。

業界も消費者意識の変化に対応


消費者はますます、買い物の仕方によって自らの考えを主張するようになってきている。スターバックスのほか、イケアやホールフーズ・マーケット、ザ・コンテナストアなどは「社会的意識の高い小売業」が現在ほどの注目を集めるようになる以前から、この問題に目を向けてきた。

最近では小売業界全体が、社会戦略や慈善活動に力を注いでいる。米国内の最大の消費者層がベビーブーマー世代からミレニアル世代に変わったことが、その一因だ。ミレニアル世代は自分自身の考え方を反映するブランドの商品を選んで購入し、そうでないものは嫌う傾向がある。

全米小売業協会(NRF)が1月中旬に開催した年に一度の大規模な業界イベント、「リテールズ・ビッグショー(Retails BIG Show)」ではさまざまな問題に関する討論会の一つとして、現代の「社会意識の高い消費者」の支持を得るための方法に関する議論が行われた。

この討論についての説明の中でNRFは、「信頼と評価を重視する消費者(特にミレニアル世代)は買い物をする際に、ただ単に必要な、あるいは欲しいと思う商品を買うのではなく、より説得力のある理由を必要とする」と述べている。

あわせて読みたい

「スターバックス」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    "昭恵氏のメールに辻元氏"はデマ

    辻元清美

  2. 2

    NHKクロ現の内容に芸能プロ激怒

    渡邉裕二

  3. 3

    石破氏"行政の対応は極めて異例"

    石破茂

  4. 4

    昭恵氏を証人喚問しないのは卑怯

    小林よしのり

  5. 5

    "安倍ポチ"西田氏は保守ではない

    小林よしのり

  6. 6

    誰が書いた? 昭恵氏FB投稿に懸念

    郷原信郎

  7. 7

    昭恵氏メール報道 TVで印象操作?

    小林よしのり

  8. 8

    "夫人秘書FAX"は忖度になるのか

    大西宏

  9. 9

    森友問題 財務省が"最も不誠実"

    福山哲郎

  10. 10

    仏紙が報じた森友学園事件の全貌

    内田樹

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDまたはYahoo!IDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。