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酒税法改正、ビール各社の活路は

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 角山智信 構成=衣谷 康

2016年12月、自民党と公明党は税制改正大綱にビールなどの酒税一本化を盛り込んだ。現在、350ml缶当たりの税額はビールが77円、発泡酒が47円、第3のビールが28円。20年からビールを段階的に減税し、発泡酒と第3のビールを増税していく。26年には税率が54.25円に一本化される見通しだ。

酒税法の改正自体は数年前から議論されており、ビール各社もそれに備えて減税されるビールの商品開発に力を入れてきた。税率も段階的に増税・減税されていくことから、短期的なインパクトは大きくはないとみている。

しかし、長期的にみれば、長く続いた日本のデフレ下で各社が開発してきた発泡酒、第3のビールは、ブランド内で集約が進むだろう。たとえば、キリンであれば発泡酒の「淡麗極上〈生〉」と第3のビールの「のどごし〈生〉」と、ビール以外で非常に強いブランドが2つある。増税で価格的な魅力が薄れる中、それぞれのブランドにこれまで同様の広告宣伝費や販促費をかけられるのかという問題が出てくる。より強いブランドに一本化して、コスト削減と効率化を図っていくのではないか。

ビール減税の影響という観点では、王者ブランド「アサヒスーパードライ」を持つアサヒビールが、最も恩恵が大きいだろう。“スーパードライ一本足打法”とも言われる同社だが、16年春、7年ぶりに出したビールの新ブランド「アサヒ ザ・ドリーム」はあまり好調とは言えない売れ行きとなっている。今後は原点に戻って、スーパードライをより強化するという経営戦略になりそうだ。

また発泡酒や第3のビールも、糖質オフやプリン体ゼロなど、機能性をうたった商品で差別化を図っていくのではないか。価格競争よりもいかに付加価値をのせられるかが、今後のビール業界を勝ち抜くカギとなりそうだ。

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