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追い風受けた日銀の金融政策の行方

 1月30日から31日にかけて今年最初の日銀金融政策決定会合が開かれる。この会合では経済・物価情勢の展望、いわゆる展望レポートも同時に発表される。

 黒田総裁は12月26日の講演で、「日本経済は、これまでは、いわばグローバル経済の「逆風」の中で奮闘してきましたが、世界経済が新たなフェーズに入る中で、これからは「追い風」を受けてさらに前進していくことが可能な状況になってきていると思っています。」と強気の姿勢を示した。これを受けて展望レポートでは経済成長率や物価の見通しを引き上げる可能性も指摘されている。

 黒田総裁の指摘した「追い風」とは、いわゆるトランプ相場と呼ばれた円安・株高の流れを意識したものと思われる。もちろんこの背景にある百年に一度とされた大きな金融経済危機からの脱却も考慮に入れてのものとなろう。

 しかし、トランプラリーと呼ばれた動きはいったん調整局面を迎えた。それを先導した米長期金利の上昇やドル高、さらには米国株式市場の上昇の動きは昨年12月半ばあたりで一服し、その後は反動安となった。この調整の動きがどの程度続くのか。それとも単なる調整ではなく、実際のトランプ氏の大統領就任でピークアウトしてしまった可能性も全くないとは言えない。

 今後の米国経済の動向はトランプ政権の政策も大きく関わってくるであろうことは確かで、アメリカ・ファーストと呼ぶ、自国優先主義の政策が米国経済、しいては世界経済にとってどのような影響を及ぼすのか。市場はこのような保護主義的な政策に対してはリスク要因と捉えている。

 それでもトランプ政権の政策の目標は米国の雇用環境をさらに良くしようとさせようとするものであり、ここにきての米国の消費者物価指数の上昇もあり、物価がFRBの想定以上のピッチで上昇する可能性がある。そうなれば年内の複数回の利上げを可能性にさせよう。

 トランプラリーの反動は一時的なものとなり、米長期金利が3%に向けて上昇してくればドル円も再度上昇基調に転じることも予想される。日本の消費者物価も円安や原油価格の上昇を背景にいずれプラスに転じてこよう。そうなると日銀の物価目標に向けて、フォローの風が再び吹く可能性はある。

 それは日本の長期金利にとって上昇要因ともなるが、果たして日銀はゼロ%程度という長期金利の目標をそのまま維持し続けるられるのか。このあたりも今後の日銀の金融政策の動向をみる上でも注目要因となる。

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