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ロボット記者、中国メディアで記事執筆開始

ロボットが執筆した記事のスクリーンショット(赤枠内) Photo: Southern Metropolis Daily

 ロボット・ブームに沸く近年の中国では、ロボット僧侶やロボット・ウエーターが働くレストランなどがメディアに取り上げられることも多い。そして今、そのメディア側にもロボットが進出し、記事を書く業務を担うようになってきている。

 中国の南方都市報は先週、自称「ロボット記者」が執筆した約300ワードの記事を初めて掲載し、旧正月期間の列車乗車券の需要高まりを伝えた。旧正月期間には数百万人もの人が家族に会うため帰省をする。記事は乗車券が一番売れている区間やすでに売れきれている区間に関して解説し、帰省の予定がある読者は早めに購入をするよう促している。

 ロボット記者による記事には、「目的地まで立ち続けなくてはいけないため、この区間はより疲れるでしょう」といった指摘も掲載。記事の筆者名は「小南机器人」(訳注:机器人はロボットを意味する)となっており、ペンの上に丸くて白いロボットが乗っているロゴも横に掲載されている。

 南方都市報のロボット記者のプログラミングにもかかわった北京大学のワン・シアオチュン教授は、現時点でロボットが活躍できる場は限られていると話す。南方都市報の場合、ロボットは乗車券の売り上げデータを分析するようにだけプログラミングされている。そのため記事もどこか単調だ。24日の記事の見だしは「旧正月前夜の高速鉄道の乗車券、広州から複数の目的地への区間で余裕あり」というもので、その前日の記事は、「広州から鄭州行きの硬座(割安)チケット、26日発の分はまだ購入可能」という内容だった。

 しかし、ロボット記者はスポーツ報道の分野などにも進出を進めている。ワン氏が開発したロボット記者用のプログラミングは、去年のリオデジャネイロ夏季五輪期間にニュースアプリ「日頭条(Toutiao)」が利用。その際にロボットは400本以上のニュース短信を執筆している。記事は試合の統計データや、スポーツ中継の「ゴール」や「レッドカード」といった言葉に反応して内容をまとめたものだった。

 米国では金融やスポーツや気象情報など、データを扱うニュースに関しては急速に記事の自動化が進む。一方の中国でも2015年に国営の新華社通信がロボット記者を導入している。

 北京大学のワン氏は、ロボット記者は今後オンラインの情報などを集めて死亡記事を書くなど、他の分野も任せられるようになるだろうとする。しかし、ある程度の能力が必要な記事の執筆にはまだ対応ができておらず、「とても細かい要求がある新聞向けの記事を完成させるのもまだ先だ」という。

 例えば中国共産党の機関誌である人民日報に間違えた内容が掲載されれば、読者はすぐに反応を示す。ワン氏によればロボット記者による記事は「直接人民日報に掲載できるようなレベル」には達していなく、「現時点では人間が確認作業をしなければならない」という。

 中国のメディアは、人間の目によって厳しく規制を受けている。習近平国家主席もここ数年はメディアに対する共産党の権限を強め、情報機関には「マルクス主義的価値観を持つジャーナリズム」に忠実であることを要求するなどしている。

 南方都市報にロボット記者に関して問い合わせたところ、同紙に以前掲載されたロボット記者に関する分析記事を紹介された。記事にはロボット記者なら休みを取る必要がなく、昼でも夜でも瞬時に記事を書くことができると指摘。とはいえ、それはあくまでも記者の補助的な存在であって今後人間の代わりを務めることはないだろうと結論付けている。

 ワン氏によれば、ロボット記者は現時点ではインタビューを行ったり、思考力が必要な記事を書いたりすることもできない。しかしいつかそれが変わる可能性もあり、ロボットが街頭インタビューを行えるようにプログラミングされるかもしれない、とワン氏は話す。その場合はロボットが事前に登録された質問をし、音声認識ソフトで相手の意見を聞き取るような形になるという。

 メディア業界では人員削減が続くが、ワン氏はロボット記者の台頭によってさらにリストラが進むとは考えていないと話し、「ロボットも進化し続けるが、記者もよりよい記者に進化するからだ」と理由を説明している。

By Te-Ping Chen

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