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仏大統領選、左派統一候補決まらず

Ulala(ライター・ブロガー)

1月22日、フランスでは、4月から5月にかけて行われる大統領選挙に向けて、与党・社会党などの左派勢力による統一候補を決めるための予備選挙が行われました。しかしまたしても、今まで予想されていなかった候補者が最後に支持率を急激に伸ばし投票数がトップになると言う右派の時と同様の展開に。

トップを獲得したのは、元教育相のブノワ・アモン氏。36%という最も多くの票を獲得し、優勢だと伝えられていたマニュエル・バルス前首相を上回りました。しかし過半数には届いてはいないため、最終決戦は29日に持ち越しされます。

アモン氏は、左派の中でも極左と表現されるほど左派色が強い候補者。オランド政権か始まった時には、労働法改正などオランド氏が初期の社会党の公約とは逆の経済政策を行うことに反対して、自ら教育相を辞任した人物。そのため元教育相と言っても、2014年4月~8月までの3か月という短い期間であったこともあり、アモン氏への注目度は低かったのです。

急激に伸ばした支持率の一つの要因となったのが、約750ユーロ(約9万円)の「最低所得保障(ベーシックインカム)」制度導入という公約。問題なく財源が確保できるかどうかは、これから議論を重ねていかなくてはいけないとしながらも、格差の大きいフランスでは、とても目を引く公約には間違いありません。しかしそれだけではありません。

・ベーシックインカムの財源の一つとして、人間の仕事を奪っているロボットに対して税率を上げる

・去年の激しい反対デモに明け暮れたにもかかわらず採決された労働法を廃止、プラス週32時間労働に

・大麻を合法化する

など、労働者にとっては、魅力的でとても分かりやすい内容であふれていることは確かです。

そのアモン氏の公約に対して、「夢を見させるだけで現実的ではない」というバルス氏は、相変わらずライシテ(laïcité:非宗教性、世俗性、政教分離)にこだわり右派的な発言も多いものの、税金と社会保障費の400億ユーロ削減といったオランド政権で実施してきた成長重視の改革案と共に、企業重視の経済政策に反発する伝統的な左派支持者へ配慮する内容を公約に盛り込みましたが、今回の選挙でも十分に票を伸ばせず31%獲得で2位に終わりました。また次回の決戦においても17%で3位だったモントブール元経済相が決選投票でアモン氏を支持すると表明しており、苦しい戦いが予想されています。

しかしながらここでアモン氏が選出されても、バルス氏の票は元経済相のマクロン氏に流れるのではないかとも予測され、大統領選での社会党など左派系の候補が苦戦することには変わりありません。

現時点では、中道・右派のフィヨン元首相と、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首が有力であると言われており、マクロン氏もフィヨン氏に匹敵する人気度となっています。

今年の大統領選挙は、現在のフランス国民が「理想を貫き実現してきた従来のフランス的理念を保ち続けているか?」、それとも、「そういった考えは無くなりつつあるのか?」と言う実情を垣間見ることができる選挙です。そういった意味でもフランスの大統領選は、アメリカの大統領選と同様に興味深い選挙であると言えるのではないでしょうか。

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