記事
  • ヒロ

今だからこそ振り返る元祖グローバリズムのロスチャイルド家

TPPが死にました。長い年月をかけて多くの国が必死になり、閣僚や担当は徹夜で折衝しながらもあと一歩、及びませんでした。いや、及んだとしても「やめた!」の一言で世の中はいくらでもひっくり返るものです。一夜にして180度転換したような歴史上の話はいくらでもあり、我々一般庶民には「何を信じて生きているのか」という根源的な疑問すら沸いてくるでしょう。

ただ、TPPについては私はもう、2年以上も「発効しないだろう」と言い続けていました。今だから言えますが、当地の総領事(当時)が「TPPは必ず成立します」と断言したので「私はしないと思う」と言い返したことがあります。総領事は自分の言葉ではなく外務省の人間として政府の言葉を述べていたのに対して私は実感として述べた、その違いです。どちらが正しいということではなく、立場が発言を制御するのでしょう。

2年前とはトランプ氏がまだ大統領候補として立ち上がる前でした。では私は何故、そう思ったか、といえば12か国もの国家が寄ってたかって積み上げた解読不明なルールと規定はグローバル化の前提である「自由」の精神を忘れていたからです。出来上がり図書が1600ページにも上ると役人から自慢げに聞かされたことがありますが、それはそのすべてが「但し書き」であるといってもよいのです。言い換えれば各国の言い訳、言い分、パワーバランスで作りあげた砂上の楼閣に近かったと思います。TPPは役人の自己満足の世界であります。

但し、そのハードネゴシエーションの過程で日本では農業の効率化に焦点が当たり、大きな改善があったことはプラスでした。「第六次産業」という言葉も生まれました。自由化に向けての「見えない障壁」が様々な分野で取り除かれた点では評価しています。

さてここで、グローバル化を本当に望んでいた歴史上の人物の一人であるロスチャイルド ファミリーを取り上げてみたいと思います。18世紀後半、ロスチャイルド家のマイヤー アムシェルは差別され続けたユダヤ人の一人でした。(詳細はまたの機会にしますが、ユダヤ人が差別されてきた理由はローマカトリックがユダヤこそ、キリストの敵だと断言し続けてきたからです。)フランクフルトで古銭商を営むマイヤーには5人の息子がいました。この5人をフランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリに送り出します。彼らはそれぞれの地域で金融を中心とした事業を行うとともにお互いに情報交換をして常に先手の対策を打ち続け、巨大なる富を築き上げたユダヤの「死の商人」であります。

彼ら5人の子供たち、そしてそれを継いだ家族は家訓である「お互いに仲良くすること、さもないとすべての資産を取り上げる」というルールに従い、協力し合い、また誰かが苦しくなれば資金を融通して助け合いながら自分のファミリーのみならず、ユダヤ人の魂を支え続けたといって過言ではないでしょう。

彼らの富は欧州が繁栄することでより太く、たくましくなります。彼らが権益で持っていた鉄道や各種産業、石油など資源もそれが伸びれば当然、リターンは大きくなります。一方、当時、欧州は戦国時代であります。フランスの2月革命、普仏戦争、ロシア革命、更には2回の大戦があります。戦争が起きれば戦費調達の戦費公債が発行されます。これはある意味、どちらが勝つかの博打であって銀行を営むロスチャイルド家はなるべく戦争が起こらないよう手を回し続けたとされます。(蛇足ですが、日本政府は日露戦争の戦費をロスチャイルドから約半分得ました。)

つまり、ロスチャイルドの歩みとはグルーバル化を通じた経済の拡大を一ファミリーベースで行ってきた元祖グローバリズムであるのです。私がTPPの話題になぜ、ロスチャイルドを出したか、といえばTPPは各国の利権の塊であるのに対してロスチャイルドは5つの拠点が一致団結し、密接につながり、助け合いの中で拡大していったという相反するスタイルが見て取れるのです。

今のEUを見ると各国が一致団結し、利害関係を同一にしているとは言えないでしょう。TPPも結局、先進国から新興国、ブルネイのような小国からアメリカのような大国ありで我慢を重ねた合意だったのです。よって、今回のように誰か我儘をいえばそれで終わってしまうガラス細工のような繊細さも持ち合わせていたとも言えます。

グローバル化を進めるには誰かに言われるのではなく、お互いがメリットあると感じる補完関係にあることが重要ではないでしょうか?理念ではなく、魂です。

では日本は国会で批准までしたのが無駄だったのではないか、と民進党あたりは突っついていますが、それは近視眼的発想です。批准により日本はグローバル化を正当化したのでありますから、その大前提に従って二国間なり、複数国間なりの交渉を進めていくための「証」であるのです。日本のマーケットはいつも扉を開けているという強力なメッセージにほかならず、これをステップにして今こそ、気持ちを一新して新しい地図を作り上げるべきだと強く感じています。

では今日はこのぐらいで。

あわせて読みたい

「TPP」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    よしのり氏「バイキング」を叩け

    小林よしのり

  2. 2

    JTBを筆頭に死にゆく旅行代理店

    木曽崇

  3. 3

    都民ファが都議賞与UP阻止に反対

    上田令子(東京都議会議員江戸川区選出)

  4. 4

    NHK契約義務なら相応の番組作れ

    中田宏

  5. 5

    日本では皆が狙える年収1000万円

    永江一石

  6. 6

    宮司殺傷 遺書を2300箇所に送付

    文春オンライン

  7. 7

    皇后陛下に退位後も仕えたいの声

    NEWSポストセブン

  8. 8

    中国人カキ殻100t投棄 どう対策

    高橋亮平

  9. 9

    藤吉久美子 50代ドラマPと不倫か

    文春オンライン

  10. 10

    加計学園の建設現場で忖度自撮り

    田野幸伸

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。