記事

社員に求めるのは「会社に◯時間いるか」よりも「Twitterのフォロワー数」──コルク佐渡島庸平さんに聞く、会社に依存せずに生きる自立心の作り方

1/2
0112.jpg

「仕事=会社から与えられ、気分がのらなくても取り組まなくてはならないもの」──。そうではなく、「仕事=あなたにぜひやってほしい、と舞い込んでくる楽しいもの」になれば、仕事がいわゆる「仕事」ではなくなるのかもしれません。

会社とそこに関する個人が「雇用している・されている」といった上下関係ではなく、よりよい関係を結んでいくにはどうしたらいいのでしょうか?

「自分をメディア化し、ブランド化することは、自分の人生を自分の手もとに取り戻す行為だ」(コルクラボHPより引用)。漫画家・小説家・エンジニアなどクリエイターのエージェント業をおこなう株式会社コルクが、自社サイトで興味深い意見を展開しています。

自分の人生を取り戻すために「自分自身のメディア化、ブランド化」を唱えるコルク代表の佐渡島庸平さんに、サイボウズ式編集部の藤村と明石が話を伺いました。

Twitterという自分メディアで、会社に依存しない生き方を手に入れてほしい


藤村能光

さっそく、個人と会社の関係について佐渡島さんに取材させていただきます。よろしくお願いします。

佐渡島さん

最初に、ぼくから1つ質問させてください。

072.jpg

藤村能光明石 悠佳

えっ……。

佐渡島さん

たとえば、会社でダラダラ過ごした後、みんなで夜飲みにいって、それだけで終わった1日があるとします。 明石さんだったら「ラッキーな1日だったな」って思いますか?

明石 悠佳


うーん……。1日を無駄にしてしまった気がして、ラッキーとは思わないです。

佐渡島さん

会社に寄りかかって生きている人なら、そうやって働かずにすむ時間を過ごせると、会社から“自分の時間”を取り戻した感があって、「遊べてラッキーだったな」くらいに思うかもしれないですよね。生産的じゃないですけど。

明石 悠佳


たしかに「会社に時間を奪われている」と思いながら働いている人は、そう思うのかもしれません。

佐渡島さん

会社は社員から時間を提供してもらっている──経営陣はその発想を忘れちゃいけないし、社員から時間を奪うようじゃダメだと思うんです。 歴史を振り返ってみると、これまでは労働時間の長さが評価されてきた時代でした。 でも、単純作業のみならず、知的作業すらも人力から機械へ置き換わりつつある今、高い価値をもつようになっているのは「アイデア」です。Aさんの1ヶ月かけて考えた質の低いアイデアと、Bさんの10分で考えた質の高いアイデアがあるとしましょう。どちらが評価されるでしょうか?

明石 悠佳


Bさんの、質が高いアイデアです。

佐渡島さん

そう。つまり、かけた時間(労働時間)は関係ない。だから、時代を切りひらいていく会社は、社員に「毎日◯時間労働してね」みたいなことは、求めていないと思います。それよりもシンプルに「成果を出してね」と。

明石 悠佳


労働時間で判断されるほうが楽だと感じる人もいそうですね。

佐渡島さん

成果をあげなくても、会社にいさえすれば「仕事をしている」と認められるわけですからね。でも、労働時間が評価基準ではなくなると、結果を出さない限り、認められなくなります。 そうなると自立心のない人は、成長できなくなるんじゃないか、とぼくは考えていて。

038.jpg

株式会社コルク 代表取締役社長 佐渡島庸平(さどしま・ようへい)さん。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社、コルクを設立。現在、漫画作品では『オチビサン』『鼻下長紳士回顧録』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『テンプリズム』(曽田正人)、『インベスターZ』(三田紀房)、『昼間のパパは光ってる』(羽賀翔一)、小説作品では『マチネの終わりに』(平野啓一郎)の編集に携わっている。twitter@sadycork

明石 悠佳

結果を出すために努力できるかどうか。1人ひとりの自立心の有無や度合いで、ずいぶん差が開いてしまいそうです。

佐渡島さん

うちの社員には自立心を備えてほしい、と会社として願っています。だから、いろいろなところで、「コルクではTwitterを重要視している」と話してきました。 Twitterという自分のメディアを活用しながら、会社に頼らない生き方や地位を身につけてほしいんです。

明石 悠佳

サイボウズでも自立心はとても大事にしています。人生を自分で選択しながら生きていくためにも「企業に頼りきらず個人でも生きていける力」が必要だと。

佐渡島さん

そうですよね。そのうえでアウトプットを出してくれると最高じゃないですか。 社員が自立すればするほど、経営側も彼らが楽しめるような目標を、次から次へと用意していく必要があり、双方の間でよい緊張感が生まれるんです。そう考えるとTwitterは、コルクにおいて“羅針盤”のようなものかもしれません。

他者は仲間だと信頼し、自分からさらけだすと、幸せな方向へ向かっていく


藤村能光

社員の自立心を育てるために、Twitterを活用されているんですね。 そういえば、某媒体で「社員評価ポイントはTwitterのフォロワー数のみ」とおっしゃっていました。

佐渡島さん

フォロワー数がすごく多いと、いつか転職するときも楽でしょう? フォロワーはいわば共感者。その人に共感する人の数は、その人の価値を図るひとつのものさしにもなります。

藤村能光

同感です。でも、どうしてSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の中でも、Twitterなんでしょうか。

佐渡島さん

履歴書やFacebookの経歴とは違って、ツイートは“盛れない”から。どんな仕事にどれくらいかかわって、どんな実績を出したか──Twitterって限りなく真実に近いことしか、投稿できないメディアなんじゃないかと思っています。盛っていたら周辺(社内)からもツッコミがくるでしょうし。

藤村能光

たしかに、Facebookだと知り合いが中心のため、「いいね!」というポジティブなコメントしかこないかもしれません。 ちなみに、社員の方にはTwitterの具体的な活用法について、どう伝えていますか?

佐渡島さん

コルクで働いていることを生かし、自分が今コルクでどんな仕事をしているのか、noteやブログに記事を書いて拡散して、とにかく自分から発信しようと伝えています。ツイートを見てくれた人が、コルクの社員という肩書を超えて、「一個人としておもしろい人だな」と感じてくれると、「あなたと仕事がしたいです!」と連絡をくれるかもしれない。 Twitterってタイムラインを眺めるだけで、いろいろなことがわかるんですよ。「この人は約束の時間に来る人だな」とか(笑)。

藤村能光

そこまで見えちゃうんですね(笑)。 そういえば、明石さんは最近Twitterを始めたんですよね。

明石 悠佳

そうなんです。以前から登録だけはしていたのですが、ほとんどつぶやいていなくて。2ヶ月前にようやく本格的に始めたものの……何をつぶやけばよいかわからずにいます。

あわせて読みたい

「雇用・労働」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    新iPhoneは買い換える意味なしか

    永江一石

  2. 2

    裏切り続けた石破氏へ厳しい現実

    門田隆将

  3. 3

    上映15分 エロバカすぎる大傑作

    松田健次

  4. 4

    進次郎氏の総裁選戦略は問題なし

    早川忠孝

  5. 5

    なぜ石破支持? 議員の本音を直撃

    NEWSポストセブン

  6. 6

    医療と宗教 母が子供の輸血拒否

    中村ゆきつぐ

  7. 7

    安倍カツカレーで思い出す陸山会

    八木啓代

  8. 8

    米関税免除の代償に苦しむ韓国

    ロイター

  9. 9

    中居正広がTVで語った本音に感銘

    文春オンライン

  10. 10

    企業の人手不足 IT業界は7割超に

    MONEYzine

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。