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富裕層の哲学「幸福度は、お金ではなく、“昼と夜の営み”で決まる」

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行政書士・不動産投資顧問 金森重樹=文

人間をシアワセにする「お金の使い方」とは?

例えば、「休暇」です。

古今東西の人が、無上の価値を見出しているもののひとつに「休暇」があります。ある大学教授の研究では、人は「年収額や学歴」を自由に選べるとすると、「他人より高い」ほうを選ぶ傾向があるそうです(相対的な評価を優先)。しかし、「休暇」などに関しては自分が納得できれば他人より短い期間でもいい(http://president.jp/articles/-/20185)。

別の教授は、他人との比較優位によって価値が生まれるものを「地位財」と呼びました。「所得」や「社会的地位」「車」などがこれに含まれます。一方、他人が持っていることとは無関係に、その自体に価値があり喜びを得られるものを「非地位財」と呼びました。前出の「休暇」や、「愛情」や「健康」などがこれに含まれます。

ただ、金銭に換算することが難しい非地位財が地位財よりも大切だというのは、実は直感では理解しにくく、地位財の追求をやめることはなかなか困難です。

そこで今回は、地位財なのか非地位財なのか、それとも他の選択肢があるのか、何にお金を使えばいいのかについて改めて考えてみます。多くの人の究極の目的は幸せになること。そのために何にお金を使えばいいのかを「人間を幸せにする行動」という観点から見ていきます。

人間を幸せにする行動を探し出して、その行動にお金を投資することができれば、これこそが真に正しいお金の使い方といえるのではないでしょう。

逆に、人間の幸せを損なうような行動を減少させるためにお金を使えば、これも真に正しいお金の使い方だとも言えるかもしれません。

人に幸福をもたらすもの、2位会話、3位夕食、1位は?

ノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のダニエル・カーネマン教授らはテキサスで働く909人の女性を調査しました。

調査手法は前日に起きたエピソード(夕食や仕事、ショッピングなど)について関する感情について説明してもらう方法をとっています。このエピソード別に正味の幸福度(ポジティブ感情からネガティブ感情を引いたもの)を集計して上位から並べたものが表です(http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.320.928&rep=rep1&type=pdf●432ページ)。

上位の幸福度ランキングからみていくと、ベスト5は

●幸福度ランキング ベスト5
1. セックス
2. 仕事帰りの友人とのおしゃべり
3. 夕食
4. リラックス
5. 昼食

です。


プリンストン大学 ダニエル・カーネマン教授らがテキサスで働く909人の女性を調査した「幸福度ランキング」より。*正味の幸福度(ポジティブ感情からネガティブ感情を引いたもの)を集計して上位から並べたもの。

逆に、ワースト5は、

●幸福度ランキング ワースト5
1. 朝の通勤(電車など)
2. 仕事
3. 夕方の帰宅(電車など)
4. 子供の世話
5. 家事

です。

ベスト5を見てお分かりのとおり、いずれも古代、中世、近世、近代、現代いずれの時代にも、人々に幸福をもたらしてきたものです。また、どのような社会体制の国であっても、日々営まれてきた事柄です。

つまり、人間の幸福というのは案外、財産の多寡なんかではなく、ほんのささやかな日常の少数の行動に集約されるということではないでしょうか。ベスト5の中で、仮にお金を使うとすれば、夕食と昼食くらいでしょうか。幸福になるのにはそれほどたくさんのお金はかからないということです。

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