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トランプ大統領の登場は物価や金利の上昇要因になるのか

 1月20日にトランプ氏が次期大統領に就任した。金融市場では昨年の米国大統領選挙でトランプ候補がクリントン候補を破ったことから、一時的にリスク回避の動きが起きたが、すぐに切り返してトランプ相場やトランプラリーと呼ばれる相場展開となった。

 トランプ氏が減税や規制緩和などを行うとの期待が出たことで、原油価格の下げ止まりなども加わり物価の上昇期待も強まった。12月にはFOMCでの再利上げの決定もあり、米長期金利が上昇し、これがドル高を招き、米国株式市場は上昇した。ドル高円安も加わり、東京株式市場も上昇した。

 この円安、株高、原油高や物価上昇期待は日銀も歓迎し、「世界経済は、ようやくグローバル金融危機の負の「レガシー」を清算して、新たなフェーズに入りつつあるように窺われます。」と黒田総裁は12月26日の講演で発言している。

 相場の世界には噂で買って事実で売るという格言もある。トランプ氏は就任演説においても減税等の具体的な言及はなく、その意味では期待感が先走っていた感もある。米国のダウ平均は2万ドルが厚い壁となって跳ね返され、ドル円も118円台まで上昇後、戻り売りに押された格好となった。

 それでは現実にトランプ大統領が就任後の米国の経済政策はどのようなものとなり、それが金融市場にどのように反映されていくであろうか。

 トランプ政権の閣僚にはゴールドマン・サックス出身者が多く登用されている。トランプ氏は選挙期間中、ウォール街と距離を置いていたものの、むしろウォール街の意向が反映されやすい政権となる可能性がある。

 いまのところトランプ氏は金融市場動向に関しての具体的な言及はない。これは控えているのか、関心があまりないのかはわからないが、日本の安倍政権のように中央銀行への圧力を強めるようなことは考えづらい。金融市場の実務派が政権の中核を担う以上はリフレ的な政策を取るようなことも考えづらい。ファンダメンタルに即した金利の上昇などはある程度、容認してくることが予想される。

 このため米国を中心とした過度な金融緩和への依存からの脱却の流れは継続しよう。トランプ大統領は米国内の雇用を中心とした景気の回復に力を入れるとみられ、それでなくても雇用の改善が続いていることもあり、これは物価を予想以上に引き上げる可能性がある。

 原油価格がOPECの減産合意を受けてしっかりしていることも物価上昇を促す可能性がある。そうなればFRBによる年内複数回の利上げを可能にするかもしれない。これらからみて、米長期金利高や株高、ドル高の流れは一時的な調整は入っても、今後も継続するのではないかと予想される。

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