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働き方改革第一弾として、ホワイトカラーが今すぐ無くせる5つの残業 - 榊 裕葵(社会保険労務士)

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電通、三菱電機など、名だたる大企業が過重労働問題に揺れている。36協定で延長できる残業時間に罰則付きの上限を設けるという法改正の動きも始まっており、長時間労働の改善は待ったなしの状況である。

■「心がけ」や「考え方」で無くせる残業がある


長時間労働の改善といっても、顧客ニーズに応えることや、負荷を分散させるための人員の確保などを踏まえると、実務上は、必ずしも一朝一夕に労働時間の短縮がすすむものではない。

だが、「心がけ」や「考え方」を変えるだけで今すぐ残業を無くすことができるネタがいくつかある。私自身のサラリーマン時代の経験や、現在は小さいながら社会保険労務士法人の経営をしている経験も踏まえ、その「ネタ」を5つほど紹介したい。

■「神の声残業」を無くそう


第1の削減ネタは「神の声残業」である。

社長や重役から「おい、あの件はどうなっていたかな?」と、おもむろに声がかかる。声をかけられた部長や課長が、「はい、直ちに調べます。」と2つ返事で答える。

会社においてはしばしば見られる光景ではないだろうか。

だが、その声がかかったのが定時近くだった場合、問題が発生する。

部長や課長が「直ちに」調べます、と答えてしまったせいで、調べる作業を振られた社員が残業になってしまうのだ。

これが典型的な「神の声残業」である。

この「神の声残業」を減らすためには、まず、社長や重役の立場の方は、自分の一声が部下に対して大きなインパクトを持つことを自覚した上で声をかけるよう気を付けたい。

自分が思っている以上に部下は深刻に受け止め、今までやっていたことを止めたり、残業になったりしても、指示に対応しようとしてくれる。だから、定時が近づいた時間で何か依頼をするときには、緊急の内容でなければ、「明日中に」とか「今週中に」といった一言を添える心配りをすることで、残業の削減につながるはずだ。

そして、部長や課長の立場の方も、定時付近で社長や重役から指示を受けたら、2つ返事で「分かりました」と答えるのではなく、可能な限り緊急度や重要度を確認した上で回答をするよう心掛けたい。

本当に緊急のものであれば対応するしかないが、そうでなければ、調整をして、社長や重役から「明日でいいよ」とか「今週中でいいよ」という言葉を引き出せるのではないだろうか。

■「一蓮托生残業」を無くそう


第2の削減ネタは「一蓮托生残業」である。

私がサラリーマン時代に仕えた上司で、あえて部下の仕事の線引きを曖昧にしたがる課長がいた。「課の仕事は、課員全員の連帯責任」というスタンスであった。

その結果、課の仕事が1つでも残っていたら全員が帰りにくい雰囲気になって、ズルズルと全員の残業時間が垂れ流しになっていたのである。

課員1人1人の仕事が決まっていて、その上で、一時的に業務の負荷が集中してしまったメンバーを、他のメンバーがフォローするというのならば分かる。だが、「全部が自分の仕事」と言われたら、どのタイミングでその日の業務を切り上げれば良いのか分からない。

確かに、課長としては、全員の連帯責任にしてしまったほうが、役割分担を割り振るとか、メンバー間の負荷を調整するよりはマネージメントが楽だと考えたのかもしれない。

だが、部下の残業をできるだけ減らしてワークライフバランスを実現させることや、会社として残業代という無駄な人件費コストを削減していくことを考えると、やはり、このような一蓮托生型のマネージメントは間違っているのではないかと私は考える。

であるから、部長や課長といった部下をマネージメントする立場の方は、部下1人1人に「あなたの役割はこれとこれです」ということを明確に伝え、自分の仕事をきちんと終わらせれば、後ろめたさを感じることなく定時退社できる雰囲気づくりをすべきであると私は考える。

社長や重役も、特定の部署だけ残業が多かったり、残業時間の割にはアウトプットが少ないと感じたら、その部署の責任者に、どのようなマネージメントをしているのかを問い質し、必要に応じてマネージメントの手法を改めさせたり、場合によっては責任者を交代させたりといった施策を打つべきである。

■「会議独演会残業」を無くそう


第3の削減ネタは「会議独演会残業」である。

会議において、上位者が説教や結論の出ない話を延々とし、それが1時間にも2時間にもなってしまう。会議が終わってようやくやることが分かったら、既に定時を過ぎていて、そこから残業になるというパターンである。

上位者のほうは「こんなにたくさんのことを教えてあげた」とか「私の熱い思いを伝えられた」と自己満足しているかもしれないが、他の出席者からしたら「あーあ、また長話を聞かされた。おかげで今日も残業だ。」と困惑しているのである。

会議とは、意思統一をしたり結論を出したりする場であり、独演会の場ではないのである。10人の部下を会議で拘束して2時間の独演会を開いたら、いったい人件費はいくらかかっているのであろうか。

もちろん、上位者の方も、若い頃に努力をしたり成果を出したりしたから上位者になっているのである。その経験に基づく講話が全て無駄だとは言わない。

だが、会議は結論を出す場であり、また、参加者全員の時間と人件費がチャージされているのだということを上位者ほど自覚しなければならないのである。

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